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股関節痛と腰椎椎間板ヘルニアの関係

「股関節が痛いから股関節の病気だろう」と思う方は多いですが、実際には腰椎椎間板ヘルニアが原因で股関節周囲に痛みが出ているケースも少なくありません。腰と股関節は骨盤を介してつながっており、神経や筋膜も密接に関係しています。そのため、腰のトラブルが股関節に影響を及ぼすことがあるのです。
股関節痛とは?
股関節痛は、鼠径部(足の付け根)や太もも、腰の外側に痛みが出る症状を指します。初期は「動き始めに痛む」程度でも、進行すると「歩行困難」「正座ができない」など、生活に大きな支障をきたします。原因は変形性股関節症、筋膜の硬さ、腰の問題など多岐にわたります。
腰椎椎間板ヘルニアの基本知識
腰椎椎間板ヘルニアは、背骨のクッションである椎間板が飛び出し、神経を圧迫する病気です。典型的には腰痛や坐骨神経痛を引き起こしますが、股関節や太ももの付け根に痛みを感じる場合もあります。特に「股関節に異常がないのに痛い」ときは、この疾患が隠れている可能性があります。
なぜ股関節痛が腰椎椎間板ヘルニアと関連するのか
腰椎から伸びる神経は股関節周囲の筋肉や感覚にもつながっています。そのため、腰椎椎間板ヘルニアによって神経が圧迫されると、股関節痛や違和感が「関連痛」として現れるのです。これは整形外科でも「股関節の病気」と誤診されやすいポイントです。
股関節痛の原因は腰から?

「股関節が痛い」と感じたとき、多くの方は「股関節自体の問題」と考えがちです。しかし実際には、腰椎や骨盤の不調が原因で股関節に痛みが出るケースが少なくありません。ここでは、腰がどのように股関節痛へとつながるのかを解説します。
腰椎椎間板ヘルニアとはどんな病気か
腰椎椎間板ヘルニアは、背骨の間にある椎間板が飛び出し、神経を圧迫する病気です。主な症状は腰痛や坐骨神経痛ですが、圧迫される神経の部位によっては、股関節の前側や太ももの付け根に痛みを感じることもあります。
腰から股関節に痛みが広がるメカニズム
腰と股関節は、骨盤を通して一体化しています。腰椎から伸びる神経は股関節周囲の筋肉に分布しているため、
- 腰椎の神経が圧迫される
- 神経の情報が股関節にまで広がる
- 股関節そのものに異常がなくても痛みが出る
という流れで症状が現れるのです。これを「関連痛」と呼びます。
股関節が悪いと誤解されやすい理由
股関節に痛みを感じると、多くの方は「変形性股関節症では?」と不安になります。実際に病院でレントゲンを撮っても「異常なし」と言われることも多く、その場合は腰に原因が隠れている可能性があります。
特に更年期世代の女性は「股関節の不調」と「腰椎椎間板ヘルニア」が同時に起こることもあり、自己判断では区別が難しいのです。
股関節の痛みの症状と原因

股関節痛と一口にいっても、その症状や原因はさまざまです。特に腰椎椎間板ヘルニアが関与する場合は、股関節の疾患と症状が似ているため、正しく見極めることが重要です。ここでは代表的な症状と原因を整理します。
一般的な股関節の症状
股関節痛は、以下のような形で現れることが多いです。
- 足の付け根(鼠径部)の痛み
- お尻や太ももの外側の痛み
- 歩き始めや階段の上り下りで痛みが強くなる
- 靴下を履く、正座をするなどの動作がつらい
症状が進行すると、歩行そのものに支障をきたし、生活の質が大きく低下します。
股関節痛の原因となる疾患
股関節痛を引き起こす代表的な疾患には以下があります。
- 変形性股関節症:関節軟骨がすり減り、関節が変形する
- 大腿骨頭壊死:大腿骨の血流障害によって骨が壊死する
- 滑液包炎:関節を保護する袋が炎症を起こす
これらは整形外科的な病気であり、医療機関での診断と治療が欠かせません。
椎間板ヘルニアによる股関節への影響
一方で、股関節自体に異常がないのに痛みを感じる場合は、腰椎椎間板ヘルニアが関与しているケースがあります。
- 腰の神経が圧迫される
- 神経がつながる股関節周囲に「関連痛」として痛みが広がる
- レントゲンでは股関節に異常が見つからない
このように、腰の問題が股関節痛として表れることがあるため、「腰と股関節はセットで考える」ことが重要です。
腰椎椎間板ヘルニアと股関節痛の関連性

腰椎椎間板ヘルニアは「腰の病気」というイメージがありますが、実際には股関節や脚にまで症状が広がることがあるのが特徴です。なぜ腰の異常が股関節痛を引き起こすのか、その関連性を解説します。
神経圧迫による放散痛としびれ
腰椎椎間板ヘルニアでは、椎間板が飛び出して神経を圧迫します。圧迫される神経の部位によって、
- 腰からお尻にかけてのしびれ
- 太もも前面や足の付け根に走る痛み
- 股関節の可動時に感じる違和感
といった症状が現れます。これが「放散痛」であり、股関節の病気と誤解されやすい理由です。
腰と股関節の動きの関係
腰と股関節は骨盤を介して連動しています。
- 腰が硬くなると股関節に過剰な負担がかかる
- 股関節の動きが悪くなると腰で代償動作が起こる
この「相互作用」が、腰椎椎間板ヘルニアの人に股関節痛を伴いやすい原因となります。
女性に多い骨盤由来の股関節痛の特徴
特に更年期世代の女性は、筋力低下やホルモン変化により骨盤が不安定になりやすく、
- 腰と股関節の両方に痛みが出る
- 「腰を治したら股関節も楽になった」というケースが多い
という特徴があります。女性特有の体の変化が、腰椎ヘルニアと股関節痛の関連を強めているのです。
腰椎椎間板ヘルニアと股関節痛は「別々の病気」ではなく、体のつながりによって同時に現れる症状です。そのため、治療や整体も「腰と股関節を一緒に整える」視点が欠かせません。
股関節痛と腰椎椎間板ヘルニアの見分け方

「股関節が痛い」と思って病院に行ったら「腰が原因だった」というケースは少なくありません。逆に「腰痛だと思っていたら股関節の病気だった」ということもあります。ここでは、両者を見分けるための症状の特徴を整理します。
股関節が原因の痛みの特徴
股関節そのものが原因の場合、次のような特徴があります。
- 鼠径部(足の付け根)に鋭い痛みが出る
- 階段の上り下りや靴下を履く動作で強い痛み
- 動かすと痛みが強まり、動かさなければ比較的楽
- 長期間放置すると可動域が狭まり、足が外に開きにくくなる
典型例は 変形性股関節症 で、レントゲンでも変形が確認されやすいです。
腰椎椎間板ヘルニアが原因の痛みの特徴
腰から来る痛みには、次のような特徴があります。
- お尻から太ももにかけてのしびれや放散痛
- 股関節を動かさなくても痛みやしびれが出る
- 咳やくしゃみ、前かがみで悪化する
- 長時間座っていると悪化し、歩くと楽になることも
レントゲンで股関節に異常が見つからない場合でも、MRIで腰にヘルニアが確認されることがあります。
両方が重なるケースもある
注意すべきは、股関節と腰の両方に問題があるケースです。特に50代以降の女性では、
- 股関節の変形と腰椎椎間板ヘルニアが同時に存在する
- 症状が複雑に絡み合い、自己判断が難しい
ということが少なくありません。
「股関節か腰か」を見極めるには、自己判断では限界があります。医療機関での検査+整体での全身チェックを組み合わせることで、原因を正確に特定しやすくなります。
腰椎椎間板ヘルニアの診断と検査

股関節痛と腰痛のどちらが原因かを正確に見極めるためには、医療機関での診断が欠かせません。腰椎椎間板ヘルニアは症状が股関節痛と重なることが多いため、適切な検査を受けることで治療方針が明確になります。
腰椎椎間板ヘルニアの医療機関での検査
整形外科を受診すると、まずは問診と理学検査が行われます。
- 問診:痛みの部位、出現時期、生活習慣を確認
- 身体所見:股関節の動きや神経反射、しびれの有無を確認
- レントゲン:骨の変形や関節の隙間を確認
レントゲンでは股関節の異常を確認できますが、椎間板や神経の状態までは分かりません。
MRI検査と重要性
腰椎椎間板ヘルニアを正確に診断するには MRI検査 が最も有効です。MRIでは、
- 椎間板の突出の有無
- 神経圧迫の程度
- 炎症の有無
が確認できます。股関節に痛みがあるのにレントゲンで異常がない場合、MRIで腰に原因が見つかることも少なくありません。
診断結果による方針
診断結果によって治療方針は変わります。
- 軽度~中等度 → 薬物療法やリハビリ(保存療法)
- 強い神経圧迫 → 手術の検討
- 股関節と腰の両方に問題がある → 併用治療や整体でのバランス調整
整体での施術を受ける場合も、まずは医師による診断を受けておくことで、安心して改善に取り組むことができます。
放置するとどうなる?腰椎椎間板ヘルニアのリスク

腰椎椎間板ヘルニアは自然に改善するケースもありますが、放置すると症状が慢性化したり、悪化する危険性があります。特に股関節痛を伴う場合は生活の質を大きく下げてしまうため、早期の対応が重要です。
歩行障害や生活動作の制限
ヘルニアが進行すると、
- 長時間歩けない
- 立ち上がりや階段の昇降がつらい
- 靴下を履く、しゃがむといった日常動作が困難になる
といった制限が強まり、生活の自立度が低下します。特に股関節痛が重なると「歩けない不安」が強まりやすいです。
股関節の二次的な変形リスク
腰の不調をかばって歩くことで、股関節に余計な負担がかかります。これを繰り返すと、
- 股関節の軟骨が摩耗する
- 骨盤のバランスが崩れる
- 変形性股関節症を発症・悪化させる
といった二次的リスクが高まります。
慢性痛による心身への影響
腰と股関節の痛みが長引くと、肉体的な負担だけでなく心理的影響も大きくなります。
- 「また痛くなるのでは」という不安
- 睡眠不足や倦怠感
- 痛みによるストレスでうつ症状を伴うことも
慢性痛は「痛みそのもの」だけでなく、心身の悪循環を引き起こす点に注意が必要です。
腰椎椎間板ヘルニアを放置すると、股関節の変形リスクと慢性痛の悪循環につながります。早めに医療機関や整体で対応することで、将来的な生活の質を守ることができます。
治療方法は保存療法から手術まで

腰椎椎間板ヘルニアによる股関節痛への対応は、症状の程度や生活への影響によって選択肢が変わります。基本的には 保存療法(手術をしない治療) から始め、必要に応じて手術が検討されます。
非手術療法の種類と効果
軽度~中等度の症状では、多くの場合 保存療法 が行われます。
- 薬物療法:消炎鎮痛剤や神経の炎症を抑える薬を使用
- ブロック注射:神経の炎症部位に直接麻酔やステロイドを注射し、痛みを軽減
- 理学療法(リハビリ):ストレッチや筋力トレーニングで腰・股関節のバランスを整える
- コルセット装着:腰部を安定させ、神経への負担を軽減
これらは症状を和らげる目的で行われ、時間とともに自然回復を促します。
手術が必要なケース
保存療法を行っても以下のような症状が改善しない場合、手術が検討されます。
- 強いしびれや痛みが続き、歩行が困難
- 排尿・排便障害が出ている(馬尾症候群)
- 日常生活が大きく制限されている
手術には、突出した椎間板を取り除く「椎間板摘出術」や、骨の一部を削る「椎弓切除術」などがあります。医師と相談しながら適切な方法を選びます。
生活改善とストレッチ法
保存療法や手術の有無にかかわらず、日常生活の工夫は欠かせません。
- 長時間の同じ姿勢を避ける
- 正しい座り方・立ち方を意識する
- 無理のないストレッチ(太もも・お尻・腰の筋肉をほぐす)を習慣化する
セルフケアを継続することで、治療効果を高め、再発予防につながります。
治療の基本は「まず保存療法、必要なら手術」という流れです。そのうえで、整体やセルフケアを組み合わせることで回復を後押しするのが理想的です。
腰椎椎間板ヘルニアと股関節痛の改善のためのアプローチ

腰椎椎間板ヘルニアによる股関節痛の改善には、医療機関での治療に加えて、整体やセルフケアを組み合わせることが効果的です。痛みを和らげるだけでなく、再発を防ぎ、体全体のバランスを整えることが重要です。
医療機関での治療(投薬・ブロック注射・手術)
整形外科では、症状の程度に応じて以下の治療が行われます。
- 薬物療法:炎症を抑えて神経の痛みを軽減
- ブロック注射:痛みの強い神経部位に注射を行い、症状を一時的に和らげる
- 手術:強い神経圧迫や生活動作に支障がある場合に選択
これらは症状を短期間で軽減する効果があり、特に重度の場合には欠かせません。
整体でできるサポート(FJAと姿勢循環整体)
平井塾で学ぶ整体は、医療とは異なる「体の構造を整えるアプローチ」です。
- FJA(ファシアティック・ジョイント・アプローチ):腰椎や骨盤の微細なズレを整え、股関節への負担を軽減
- 姿勢循環整体:全身の血流・リンパの流れを改善し、自然治癒力を引き出す
股関節痛の裏に腰の不調があるケースでは、腰と股関節を同時に整えることが根本改善につながります。
セルフケアで腰と股関節を守る方法
日常的にできるセルフケアも大切です。
- 腰・お尻・太もものストレッチ:筋肉の緊張を和らげる
- ウォーキングや軽い体幹トレーニング:筋力を維持し、再発を防ぐ
- 正しい姿勢の習慣化:長時間同じ姿勢を避け、骨盤を安定させる
整体や医療で得られた改善を「維持・強化する」のがセルフケアの役割です。
改善には「医療の即効性」「整体の構造改善」「セルフケアの継続性」を組み合わせることが理想です。これにより、股関節痛を根本から改善し、再発を予防できます。
日常生活での股関節痛の予防

腰椎椎間板ヘルニアが股関節痛につながるケースでは、日常生活での工夫が再発予防と症状の軽減に大きく役立ちます。普段の姿勢や動作を意識することで、腰と股関節への負担を減らすことができます。
正しい姿勢と動作
- 座り方:背もたれにしっかり腰をつけ、骨盤を立てて座る
- 立ち方:片足重心を避け、左右均等に体重をかける
- 物の持ち方:腰からではなく、膝を曲げてしゃがんで持ち上げる
姿勢のちょっとした工夫で、腰椎や股関節の負担は大きく減ります。
股関節を守るストレッチ 3つの方法
- 股関節回し:仰向けで片膝を抱え、円を描くように回す
- 太もも前のストレッチ:立って片足を後ろに持ち上げ、太ももの前側を伸ばす
- お尻のストレッチ:椅子に座って足を組み、体を前に倒してお尻を伸ばす
毎日3~5分行うだけでも、筋肉の柔軟性を維持できます。
筋肉の役割と柔軟性の確保
股関節と腰を守るためには、筋肉のサポートが欠かせません。
- 大殿筋や中殿筋:股関節を安定させる
- 腹筋や背筋(体幹):腰を支える
- 太もも裏(ハムストリングス):骨盤の動きをスムーズにする
筋肉は「天然のコルセット」として働きます。柔軟性と筋力を保つことで、痛みを予防できます。
日常の姿勢と簡単なストレッチを続けることが、腰と股関節を同時に守る最もシンプルで効果的な方法です。
股関節痛のひどい痛みを和らげる方法

腰椎椎間板ヘルニアによる股関節痛が強いと、日常生活が大きく制限されてしまいます。そんなときは、まず「痛みを和らげる」ことを優先し、心身の負担を減らすことが大切です。ここでは、医学的な方法から整体・リハビリまで幅広く紹介します。
痛み止めや薬物療法について
医療機関では、症状の程度に応じて以下の薬が処方されます。
- NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬):痛みや炎症を抑える
- 筋弛緩薬:筋肉の緊張を緩める
- ビタミンB12製剤:神経の修復をサポートする
これらは一時的に症状を和らげる効果があり、強い痛みで生活に支障があるときに有効です。ただし、長期使用には副作用のリスクもあるため、必ず医師の指導を受ける必要があります。
リハビリテーションアプローチ
痛みが落ち着いたら、リハビリを取り入れることが重要です。
- 理学療法士による運動療法:腰や股関節の柔軟性・安定性を取り戻す
- 整体での調整:FJAで腰椎や骨盤のズレを整え、姿勢循環整体で血流や神経の働きを回復
- 患者さん主体のリハビリ:正しい動作を学び、日常で実践する
「受け身の治療」から「自分で体を回復させるアプローチ」へ移行することが大切です。
再発防止に向けた日常生活の見直し
痛みを和らげても、原因が残っていれば再発してしまいます。
- 長時間のデスクワーク時は1時間ごとに立ち上がる
- 重い荷物を持つときは腰に負担をかけない持ち方をする
- 睡眠環境を整え、体をしっかり休める
整体やセルフケアを続けながら、生活習慣そのものを見直すことが再発防止につながります。
「痛みを和らげる」→「体を整える」→「再発を防ぐ」という流れが、腰椎椎間板ヘルニアと股関節痛の改善には欠かせません。
股関節痛のケース別対策

腰椎椎間板ヘルニアによる股関節痛は、人によって現れ方が異なります。右だけ、左だけ、あるいは足の付け根など、痛みの出る場所や強さはそれぞれ違います。ここでは、症状ごとの具体的な対策を解説します。
右だけ痛い股関節痛のアプローチ
右股関節だけに痛みが出る場合、
- 右腰椎の神経圧迫が原因であることが多い
- 片側に体重をかける姿勢のクセ(カバンを同じ肩で持つ、片足重心)が影響する
- 右殿筋(お尻の筋肉)の硬直や血流不足が関与
アプローチとしては、腰椎の調整に加え、右殿筋のストレッチと股関節の柔軟性回復が有効です。
左だけ痛い股関節痛のアプローチ
左股関節のみに痛みがある場合、
- 左腰椎神経の圧迫や、左股関節の可動制限が関与する
- 足の長さの左右差や骨盤の歪みも原因になりやすい
- 内臓(特に腸や婦人科系)の影響で左側に痛みが出ることもある
整体では、骨盤のバランス調整を重視し、日常生活では片足重心を避ける意識がポイントです。
足の付け根の痛みに対する治療法
「足の付け根(鼠径部)が痛い」という訴えは、股関節のトラブルと思われがちですが、腰椎椎間板ヘルニアが原因で起こることもあります。
- 腰の神経圧迫による関連痛
- 腸腰筋の硬さや炎症
- 股関節の滑液包炎との鑑別が必要
治療法は、医療機関での診断に加えて、整体で腸腰筋を含む股関節前面の調整を行うことで改善が期待できます。
女性特有の股関節痛について

股関節痛や腰椎椎間板ヘルニアは、女性特有の体の変化と深く関わっています。特にホルモンバランスや妊娠・出産の経験、運動不足などが影響し、男性よりも女性の方が症状を抱えやすい傾向にあります。
ホルモンバランスと股関節痛
女性ホルモン(エストロゲン)には、骨や関節を守る働きがあります。更年期に入りホルモンが減少すると、
- 骨密度が下がり、骨粗しょう症リスクが上昇
- 関節や靭帯の柔軟性が低下し、股関節に負担が集中
- 筋肉量が減り、腰椎や骨盤を支えにくくなる
このため、更年期女性は腰椎椎間板ヘルニアや股関節痛を併発しやすいのです。
妊娠中の股関節痛
妊娠中はリラキシンというホルモンの作用で関節や靭帯がゆるみ、骨盤や股関節に負担がかかります。さらに、
- 子宮の重みで腰椎が反りやすくなる
- 体重増加で股関節に過剰な圧力がかかる
- 妊娠後期は歩行時の不安定感が増す
その結果、股関節や腰に痛みを感じる妊婦さんは少なくありません。安全に過ごすためには、無理のないストレッチや整体でのサポートが有効です。
運動不足による股関節痛
女性は生活の中で運動量が減りやすく、筋力低下が痛みを招く要因になります。
- ウォーキング:血流改善と股関節の可動性を保つ
- ヨガやピラティス:呼吸と姿勢を整え、自律神経にも効果的
- 軽い筋トレ(スクワットやヒップリフト):骨盤と股関節の安定性を高める
無理のない範囲で体を動かすことが、痛みの予防と改善につながります。
女性特有の体の変化を理解し、ホルモンやライフステージに合わせたケアを行うことが、股関節痛や腰椎椎間板ヘルニアの対策には欠かせません。
実際の改善例|腰から整えて股関節痛が軽減したケース

腰椎椎間板ヘルニアと股関節痛は、互いに影響し合うため「腰を整えることで股関節が楽になる」ケースが多く見られます。ここでは、実際に整体や医療を組み合わせて改善した事例を紹介します。
「股関節が原因と思っていたが腰だった」事例
50代女性の患者さんは、右股関節の痛みで歩行が困難になり「変形性股関節症ではないか」と不安を抱えて来院されました。整形外科で股関節に異常はなく、MRI検査で腰椎椎間板ヘルニアが確認されました。
整体ではFJAで腰椎と骨盤のバランスを整え、姿勢循環整体で全身の循環を改善。数回の施術後には「歩くときの付け根の痛みが軽くなった」と実感され、今では日常生活を問題なく送れています。
整体と医療を組み合わせた改善プロセス
40代男性のケースでは、腰から股関節にかけての痛みが強く、整形外科ではブロック注射を受けて一時的に症状を軽減しました。しかし再発を繰り返していたため整体も併用。
- 医療 → 炎症を抑えて強い痛みを緩和
- 整体 → 腰と股関節の構造バランスを整える
この二段階アプローチにより、再発が減少し、安定した状態を維持できるようになりました。
患者さんの声と安心感の変化
- 「股関節が悪いのではと不安だったけど、腰を整えてからスムーズに歩けるようになった」
- 「整体と病院を組み合わせたことで安心して治療を続けられた」
- 「施術のたびに体が軽くなるのを実感し、気持ちも前向きになれた」
患者さんにとって大切なのは、症状が改善することと同時に、不安が解消されることです。
腰から股関節のつながりを理解した整体アプローチは、患者さんの安心感を支え、回復への大きな後押しとなります。
腰椎椎間板ヘルニアと股関節痛まとめ

股関節痛の裏に腰椎椎間板ヘルニアが隠れているケースは決して珍しくありません。股関節そのものに異常がなくても、腰からの神経圧迫や筋肉・姿勢の問題によって痛みが出ることがあります。だからこそ、腰と股関節を一体として捉える視点が重要です。
股関節痛の重要なポイント
- 股関節痛は必ずしも股関節だけが原因ではなく、腰椎の問題が関与していることが多い
- 放置すると歩行障害や股関節の二次的変形、慢性痛につながる
- 医療(診断・治療)と整体(体全体のバランス調整)、セルフケアを組み合わせるのが理想的
股関節痛で受診を検討すべきタイミング
以下のような症状がある場合は、早めに整形外科の受診をおすすめします。
- 夜も眠れないほどの股関節痛・腰痛
- 脚のしびれや力が入らない
- 歩行が困難になってきた
医療機関で正しい診断を受けることが、安心して改善に取り組む第一歩です。
専門医への相談が必要な理由
整体やセルフケアだけで解決しようとすると、病気の発見が遅れるリスクがあります。平井塾の整体では、必要に応じて医療機関での精密検査を勧めながら、安心・安全な改善プロセスを重視しています。
股関節痛でお悩みの方へ。
「腰が原因かもしれない」という視点を持つことで、症状の改善への道が開けます。医療と整体をうまく組み合わせ、あなたに合った方法でケアしていきましょう。
投稿者情報

20年以上・延べ10万回以上の臨床経験
整体教育機関ゴッドハンドへの道「平井塾」代表。歴20年以上の施術経験と、延べ10万回以上の臨床経験を持つ。
2020年以降は、既存の患者さん200名以上を継続的にサポートする体制へ移行。看板・電話・ホームページを持たず、完全紹介制の「平井専用」個人院として施術を行っている。(現在、新規はお取りしていません)
また、後進の育成にも力を注ぎ、2024年には年間91回のセミナーを開催し、延べ770名が参加。すべて紹介による開催ながら、多くの施術者に支持される学びの場となっている。
平井塾で指導している施術は、
- FJA(ファシアティックジョイントアプローチ):神経・筋膜・関節の細部を調整する技術
- 姿勢循環整体:全身の循環を整え、自然治癒力を引き出す施術
患者さんからは「安心して体を任せられる」「長年の不調が改善した」という声が寄せられ、受講生からは「整体観が変わった」「施術に自信が持てるようになった」と高い評価を受けている。
新規患者さんへのご案内
平井本人は新規患者さんの受付を行っていませんが、平井が経営している大阪府箕面市のみゅう整骨院では、FJAと姿勢循環整体を用いた整体が受けられます。しびれや痛み、自律神経の乱れによる症状、どこに通っても改善しないとお悩みの方は、安心してご相談ください。