なぜ経営者の想いは現場に届かないのか?

理念を語るだけでは、現場は動かない
「うちは理念がある」「想いはしっかりある」多くの整骨院経営者がそう語ります。しかし、その理念がスタッフの行動に反映されていないと感じたことはありませんか? それは、語るだけで伝わると思い込んでいる状態かもしれません。
スタッフとの「温度差」が生まれる原因
経営者が理念に情熱を注げば注ぐほど、現場との温度差は大きくなりがちです。その理由は、経営者が未来を見て話しているのに対し、スタッフは「今日の対応」「今の業務」に集中しているからです。この視点の違いが、すれ違いの原因となります。
現場の視点=「今日、何をどうやるか」で動いている
スタッフの多くは、「理念」よりも「今日どう動けばいいか」で行動します。だからこそ、経営者の想いは具体的な行動レベルに落とし込まれなければ、現場では機能しません。
整骨院に必要なのは理念の言語化ではなく行動への落とし込み

「ファンを増やしたい」は抽象的すぎる
「もっとファンを増やそう」「リピート率を上げよう」これらのメッセージは、確かに正しい方向性です。しかし、それだけでは現場で何をすればいいのかがわかりません。理念を具体的な行動に変換することが必要です。
現場で機能するのは「問いかけ」
例えば、「この患者さんはなぜ戻ってきてくれるんだろう?」「どうすればもっと信頼されるだろう?」という問いを、スタッフに投げかけてみてください。問いかけは、答えよりも“考えるプロセス”を育てます。この積み重ねが、理念の浸透につながります。
浸透とは「自然と口に出るレベル」まで落とすこと
理念が本当に浸透した状態とは、朝礼や日常会話の中で、スタッフの口から自然とその言葉が出てくるレベルです。そのためには、問いかけと実践の繰り返しが不可欠です。
ファン視点が整骨院の空気を変える理由

接遇や会話が作業から信頼構築に変わる
ファン視点を持つと、対応のすべてがただの業務から信頼関係を築く行動に変わります。患者との会話、LINE返信、受付対応、そのすべてが信頼構築のタッチポイントになります。
現場に生まれる「前向きな問い」と「自発的な工夫」
「どうすればもっと喜んでもらえるか?」「この患者さんに何を伝えるべきか?」といった前向きな問いが現場に増えると、自発的な工夫が自然に生まれます。これが理念が動き出す瞬間です。
新人でもベテランでも関係性づくりは再現できる
ファン視点は、スキルや経験よりも「気づき」と「意識」の問題です。だからこそ、新人でも実践可能。教育の早い段階から、この視点を身につけることで、接遇力とリピート率は飛躍的に向上します。
実践事例:現場で機能したファン視点マネジメント

ケース1:新人スタッフが「紹介される存在」になるまで
ある導入院では、問いかけ教育を始めて3ヶ月で、新人スタッフが患者から紹介される存在へと成長しました。「〇〇さんに対応してもらえて良かった」と言われる経験が、自信とやりがいを生みます。
ケース2:「問いかけ型」で朝礼が活性化
別の院では、毎朝の朝礼で「昨日のファン対応事例」を共有する仕組みを導入。「どう感じたか?」「次は何を意識したか?」を語り合うことで、スタッフ間の学びが加速しています。
ケース3:スタッフが患者さんのファンになる文化が浸透
最も成果が出たのは、「患者のファンになる」文化の浸透です。スタッフが「もっとこの人の力になりたい」と思うことで、自然と対応に心がこもり、患者のリピート率が上がりました。
理念が現場で形になるために必要な3つの要素

① 抽象→具体に変換する「問いかけ設計」
理念を現場で使える形に変えるには、「誰でも使える問いかけ」に翻訳する必要があります。「なぜこの対応が喜ばれたか?」というような問いは、感覚の言語化と行動の再現性を高めます。
② 教育ルーティンの中に組み込む仕掛け
朝礼・終礼・面談・OJTなど、日々の教育ポイントにファン視点を自然に差し込むことが重要です。「今週のファン対応ベスト事例」など、仕組みとして継続できる設計が鍵です。
③ 継続評価の基準は「共感と貢献感覚」
教育の評価軸を「結果」だけでなく「共感力」や「貢献感覚」に置くことで、スタッフは人として成長する手応えを感じながら取り組むようになります。それが、理念浸透の本当のゴールです。
経営者の「想い」は、現場が「感じて動く」ことで初めて成果になる

- 理念と現場のズレは、視点と言語の違いにある
- ファン視点を問いと習慣に変え、現場の空気と行動を変革する
- 「問い→実践→共有→継続」のサイクルで、理念が仕組みに昇華する
理念は語るものではなく、一緒に体験するもの。それが、現場に届く伝え方です。
まとめ:平井塾が提案する理念浸透×現場実践の教育フレームとは?

▶︎ FJA:構造思考で現場の対話力を育てる基礎手技
▶︎ 姿勢循環整体:全身調整のルーティンが信頼関係を深める
関連記事はこちら
- STEP1:新人教育とファン視点 → 整骨院経営は“ファン化”で安定する
- STEP2:理念浸透と問いかけ設計 → 経営者の想いが届かない理由
- STEP3:感覚と構造思考 → 数字が苦手な院長こそ成功する
▼ 詳細・セミナー情報はこちらから
平井塾公式サイトへ
投稿者情報【平井 大樹】

株式会社美絆 代表取締役。整体教育機関ゴッドハンドへの道「平井塾」代表。柔道整復師・スポーツトレーナー。
「治療家を職業から誇りへ」を信念に、紹介だけで予約が埋まる「本物の治療家」を育てる平井塾を主宰。施術歴20年、延べ10万人以上を施術し、リピート率98.5%、新規予約は5年待ちという圧倒的な実績を持つ。
【平井塾が生まれた理由】
高校卒業後、スポーツトレーナーの世界で「本当に人の役に立ちたい」という強い想いを胸に治療家の道へ。雇われ院長時代には、1日来院数255名という日本一の実績を達成。しかし、数字を追い求める中で、本当にやりたかったこととのギャップに悩み、独立後は広告を一切使わない「紹介のみ」の治療院を確立しました。
その経験から、「技術だけでなく、患者さんの心に寄り添う在り方こそが、真のゴッドハンドへの道である」と確信。2020年から始めたセミナー事業も、広告を一切使わず、口コミだけで年間91回開催、延べ770名もの治療家が集まる場所となりました。
【平井大樹の圧倒的な実績】
私が提唱する「在り方で信頼され、結果で指名される」という哲学は、以下の圧倒的な実績によって証明できる確信しています。
- 長期継続患者数:私が施術している毎月211人の患者様のうち、5年以上継続が211名,そのうち10年以上が93名。これは、一般的な治療院が測る「初回リピート率」をはるかに超える、揺るぎない信頼の証です。当社独自の2年継続率では49.7%という圧倒的な実績を数字で証明しています。
- 独自のメソッド:FJA(ファシアティックジョイントアプローチ)や姿勢循環整体など、単なる技術ではなく、痛みの根本原因を「動きの連鎖」から見抜く独自の臨床思考モデルを確立しています。
- 全国規模の実績:東京、大阪、横浜、宮崎など全国9社の整骨院グループで社員研修を担当。組織の課題に客観的に向き合い、治療家として誇りを持って働ける社員を育成しています。
- 安定した組織運営:私が経営する院のスタッフ定着率は平均7年以上。これは、理念と実践が一致したマネジメントの証明です。
「在り方で信頼され、結果で指名される」
平井塾は、技術と人間性の両輪を磨き、治療家として誇りを持って生きる仲間を増やすことを目標としています。このブログが、あなたの治療家人生を変える一歩となれば幸いです。