整骨院のスタッフ教育も臨床と同じ|売上教育より「在り方」を伝える方法

スタッフ教育と臨床は同じで治療家としての在り方が重要だと指導している平井先生の姿

なぜ整骨院のスタッフ教育が上手くいかないのか?

本記事は「スタッフ教育シリーズ第2回」です。

まだ第1回を読んでいない方はこちら 👉 整骨院スタッフ教育の落とし穴|売上優先が招く自己流スタッフ問題

シリーズ全体まとめはこちら 👉 スタッフ教育完全ガイド

次の記事はこちら 👉 「売上を上げる教育」だけでは危険!院長が自由を取り戻す理念教育のすすめ

「売上教育」に偏った整骨院の新人研修の落とし穴

多くの整骨院で、新人教育といえば「売上を作る力」を育てることに重点が置かれます。

問診のクロージングや回数券提案、単価アップのトークスクリプト。

もちろん経営には欠かせない要素ですが、これだけに偏ると教育の軸が“数字”になってしまいます。

整骨院勤務2〜3年目で豹変する自己流スタッフの背景

最初は素直に指示を聞いていたスタッフが、2〜3年目で豹変する。

この背景には「理念教育の欠落」があります。

売上が上がるようになると、本人は「数字さえ出せば正しい」と勘違いし、自己流に走るようになります。

整骨院の院長がビクビクする組織が生まれるメカニズム

「売上を作ってくれるから強く言えない」

そんな状況が続くと、院長は自分の院でありながら自由に指導できなくなります。

結果的に、経営者自身が疲弊し、組織が不安定化していくのです。

臨床と教育の共通点「型」があるからスタッフは成長できる

施術がルーティン化されると技術が安定する理由

臨床の現場で、手技が安定するのは「型」があるからです。

例えばFJA(ファシアティック・ジョイント・アプローチ)では、細部の観察と調整をフレームに沿って行うことで、誰でも一定の成果が再現できます。

教育も同じく再現性ある型で伝える必要がある

教育においても同じです。

「理念をその場の雰囲気で伝える」のではなく、「理念教育の型」を持つことで、誰が教えても同じように伝わります。

型がなければ、教育は属人的になり、安定しません。

「技術」と「在り方教育」の共通構造とは?

  • 技術 → 痛みを取る処置型から、原因を見抜く構造思考型へ
  • 教育 → 売上優先型から、在り方を共有する理念教育型へ

両者に共通するのは、「再現性ある型を通して構造を整える」という考え方です。

整骨院の「在り方」教育とは何を伝えるのか?

治療家としての在り方を定義する3つの視点

在り方教育で伝えるべきは、単なるマナーや姿勢ではありません。

  1. 患者さんにどう向き合うか(利益優先ではなく信頼関係を築く)
  2. 院の一員としてどう振る舞うか(方針を理解し、共有する)
  3. 治療家としてどう成長するか(技術・哲学・人間性の三位一体)

「理念」と「売上」の優先順位を整理する

売上は大切ですが、それは理念を実現するための手段でしかありません。

理念教育でこの順序を明確にすることで、スタッフは「売上だけ」では動かなくなります。

患者・院・社会の三方よしを育む教育設計

在り方教育の本質は「三方よし」を浸透させることです。

患者さんにとって良い、院にとって良い、そして社会にとって良い。

この視点を共有できるスタッフは、自然と自己流から脱却します。

整骨院は売上教育より先に在り方を教えること

5つのポイントを電球で表している

売上だけを評価基準にすると自己流化する

売上教育が先行すると、「売上さえあれば正しい」という自己流スタッフを生み出します。

これは長期的には組織を壊す大きなリスクです。

理念教育がスタッフの判断基準を統一する

在り方教育を先に行えば、スタッフは「院の理念」という共通の基準を持って動くようになります。

これが、チームとしての一体感をつくります。

短期的成果よりも長期的安定を生む仕組み

売上教育は短期的な数字を生みますが、理念教育は長期的な安定を生みます。

順番を逆にすれば、両方が両立するのです。

整骨院で実際に使える「在り方教育の型」

新人研修で理念を落とし込む3ステップ

  1. 理念を言語化し、初日に伝える
  2. ロールプレイで在り方を体験させる
  3. 院長が理念を体現して見せる

日常ミーティングで理念を繰り返し確認する方法

理念は一度伝えて終わりではなく、日常の中で繰り返す必要があります。

短い朝礼やミーティングで「理念を言葉にする」だけで、浸透度は格段に上がります。

院長自身が在り方を体現して見せることの重要性

最も強力な教育は「背中を見せること」です。

院長が理念に沿った行動をしていれば、スタッフは自然にそれを学び取ります。

事例紹介|理念教育を導入した院の変化

自己流スタッフが自律的に変わったケース

導入前は「売上は作るが方針に従わない」スタッフがいた院。

理念教育を取り入れたことで、自分の判断を院の方向性に照らして行うようになり、組織が安定しました。

経営者がビクビクせずに指導できるようになった声

「売上を盾にされるから注意できなかった」と悩んでいた院長が、

理念教育という共通言語を持つことで、自信を持って指導できるようになりました。

リピート率・定着率が安定した理由

理念教育によりスタッフ同士の摩擦も減り、患者さんへの対応も安定。

結果的にリピート率とスタッフ定着率が改善したのです。

平井塾の教育哲学と「在り方教育」

処置型から構造思考型へ —— 臨床と教育の同じ流れ

臨床で「痛みを取る処置型」から「原因を見抜く構造思考型」へ学ぶように、

教育も「売上優先型」から「在り方教育型」へと進化させる必要があります。

FJA・姿勢循環整体に学ぶ「型」の力

FJAや姿勢循環整体も、すべては「型」があるから成り立ちます。

教育も同じで、理念を再現性あるフレームとして渡すことが重要です。

教育も臨床と同じく構造を整える作業である

教育の本質は「人の在り方の構造を整えること」。

臨床と教育は別物ではなく、同じ哲学でつながっているのです。

まとめ|スタッフ教育も臨床と同じく「型」で再現性を

院長が疲弊しない教育設計をつくる

スタッフが言うことを聞かないのは性格の問題ではなく、教育設計の欠落です。

理念教育の型を持つことで、院長は疲弊せずにスタッフを育てられます。

スタッフが安心して成長できる環境をつくる

理念教育があると、スタッフは判断に迷わず安心して成長できます。

自己流ではなく「院の一員」として成長していけるのです。

平井塾で学べる「理念教育の型」を導入しよう

平井塾では臨床技術と同じように、教育にも「再現性ある型」を提供しています。

理念教育を導入し、売上教育と両立させることで、長く安定する院経営を実現しましょう。

本記事は「スタッフ教育シリーズ」の一部です。

続きはこちらからご覧ください:

• 第1回:整骨院スタッフ教育の落とし穴

• 第2回:スタッフ教育も臨床と同じ

• 第3回:「売上を上げる教育」だけでは危険!

• まとめ記事:スタッフ教育完全ガイド

投稿者情報【平井 大樹】

株式会社美絆 代表取締役。整体教育機関ゴッドハンドへの道「平井塾」代表。柔道整復師・スポーツトレーナー。

「治療家を職業から誇りへ」を信念に、紹介だけで予約が埋まる「本物の治療家」を育てる平井塾を主宰。施術歴20年、延べ10万人以上を施術し、リピート率98.5%、新規予約は5年待ちという圧倒的な実績を持つ。

【平井塾が生まれた理由】

高校卒業後、スポーツトレーナーの世界で「本当に人の役に立ちたい」という強い想いを胸に治療家の道へ。雇われ院長時代には、1日来院数255名という日本一の実績を達成。しかし、数字を追い求める中で、本当にやりたかったこととのギャップに悩み、独立後は広告を一切使わない「紹介のみ」の治療院を確立しました。

その経験から、「技術だけでなく、患者さんの心に寄り添う在り方こそが、真のゴッドハンドへの道である」と確信。2020年から始めたセミナー事業も、広告を一切使わず、口コミだけで年間91回開催、延べ770名もの治療家が集まる場所となりました。

【平井大樹の圧倒的な実績】

私が提唱する「在り方で信頼され、結果で指名される」という哲学は、以下の圧倒的な実績によって証明できる確信しています。

  • 長期継続患者数:私が施術している毎月211人の患者様のうち、5年以上継続が211名,そのうち10年以上が93名。これは、一般的な治療院が測る「初回リピート率」をはるかに超える、揺るぎない信頼の証です。当社独自の2年継続率では49.7%という圧倒的な実績を数字で証明しています。
  • 独自のメソッドFJA(ファシアティックジョイントアプローチ)や姿勢循環整体など、単なる技術ではなく、痛みの根本原因を「動きの連鎖」から見抜く独自の臨床思考モデルを確立しています。
  • 全国規模の実績:東京、大阪、横浜、宮崎など全国9社の整骨院グループで社員研修を担当。組織の課題に客観的に向き合い、治療家として誇りを持って働ける社員を育成しています。
  • 安定した組織運営:私が経営する院のスタッフ定着率は平均7年以上。これは、理念と実践が一致したマネジメントの証明です。

「在り方で信頼され、結果で指名される」

平井塾は、技術と人間性の両輪を磨き、治療家として誇りを持って生きる仲間を増やすことを目標としています。このブログが、あなたの治療家人生を変える一歩となれば幸いです。