「朝、肩が痛くて服を着るのもつらい…」
「寝返りのたびに痛みで目が覚めてしまう」
そんな寝起きの肩の痛みに悩んでいる方は多くいらっしゃいます。
整形外科で「五十肩(肩関節周囲炎)」と診断され、湿布や注射、リハビリを続けても、なかなか良くならない。
「この痛みはいつまで続くの?」と不安を抱えている方も少なくありません。
実は、五十肩の痛みは関節だけの問題ではないことが多いのです。
身体のバランスや姿勢、そして血流・リンパ・神経の循環など、全身の構造が深く関係しています。
整形外科では画像検査で異常がなければ「自然に治ります」と言われることが多いですが、実際の現場では「数か月、あるいは1年以上痛みが続く」ケースもあります。
その背景には、「動かすと痛い」だけでなく、動かせない構造になっている身体のエラーが隠れているのです。
平井塾では、20年以上にわたり10万回以上の臨床経験を重ねてきた平井先生の哲学のもと、「構造思考型の整体理論」を体系的に学び・伝えています。
- 細部の原因を見抜く《FJA(ファシアティック・ジョイント・アプローチ)》
- 全身の循環と姿勢を整える《姿勢循環整体》
この2つの手技は、単なる「揉む・ほぐす」ではなく、身体に対して聴く手を育て、回復力を引き出す整体を目指しています。
この記事では、
「なぜ寝起きに五十肩の痛みが強く出るのか」
「整形外科で治らない理由」
そして「整体的に見た根本的な改善の考え方」について、専門的な内容を一般の方にもわかりやすく解説します。
身体の構造を理解し、正しいアプローチを知ることで、「もう歳だから仕方ない」と諦めていた痛みが、変わり始めるかもしれません。
目次
この記事でわかること
- 五十肩と寝起きの痛みの関係
- 医療と整体の考え方の違い
- 平井塾が考える「構造から治す整体アプローチ」
- 日常でできるセルフケアと予防のヒント
次の見出しでは、まず「五十肩とは何か」を正しく理解するところから始めましょう。
症状や原因を整理しながら、「寝起きに痛い理由」への第一歩を一緒に紐解いていきます。
五十肩について理解を深める

五十肩とは?症状と原因を解説
五十肩とは、正式には「肩関節周囲炎(かたかんせつしゅういえん)」と呼ばれる症状で、肩の関節のまわりに炎症が起こり、痛みや動かしづらさが出る状態を指します。
多くは40代〜60代に発症し、特に女性に多いといわれています。
初期には腕を上げると痛みを感じたり、夜にうずくような痛み(夜間痛)が出ることがあります。
次第に服を着替える、髪を結ぶ、背中に手を回すといった日常動作に支障が出るようになります。
原因としては、加齢による関節包や腱板の柔軟性の低下、血行不良、姿勢の崩れなどが重なり、肩関節の「すべり」や「動きのリズム」が乱れることが挙げられます。
一方で、整形外科では「原因不明」と説明されることも少なくありません。
実際には、肩そのものよりも「肋骨」「背骨」「肩甲骨」など、全身の構造的なバランスの崩れが引き金になっているケースが多いのです。
平井塾では、こうした「構造のエラー」を細かく読み取ることを重視しています。
痛みのある部位だけを見るのではなく、「なぜそこに負担が集中したのか?」という因果関係を解き明かすことが、本当の意味での根本改善につながるのです。
四十肩との違いを理解しよう
「五十肩」と「四十肩」は、医学的にはどちらも「肩関節周囲炎」であり、厳密な区別はありません。
一般的には、発症する年代によって呼び方が変わるだけです。
ただし、実際の身体の状態には違いが見られることがあります。
40代ではまだ筋肉や関節の柔軟性が保たれており、一時的な炎症や筋膜の癒着によって症状が出るケースが多いのに対し、50代では代謝の低下や姿勢の変化、慢性的な血行不良が影響し、回復に時間がかかりやすい傾向があります。
平井塾では、この年代差を単なる「老化」とは考えません。
むしろ「身体の使い方の変化」と捉え、どの構造に負担がかかっているかを見極めることで、五十肩特有の慢性的な痛みも改善の方向に導けると考えます。
五十肩の診断方法と疾患の可能性
整形外科で五十肩と診断される際には、レントゲンやMRIなどの画像検査が行われることが多いです。
これによって骨や腱の異常(腱板断裂・石灰沈着など)を除外します。
もし骨や腱の損傷が見られない場合に、「五十肩=肩関節周囲炎」と診断されます。
ただし、同じ「肩が痛い」という症状でも、実際には以下のような疾患が隠れている場合もあります。
- 石灰沈着性腱炎(石灰がたまって強い炎症を起こす)
- 腱板断裂(筋肉や腱の一部が切れている)
- 頸椎由来の神経痛(首の神経圧迫による放散痛)
このように、痛みの背景は多岐にわたります。
まずは医療機関での診断を受けることが大切です。
そのうえで、「異常はないと言われたけれど痛い」場合には、身体の構造的なバランスを整える整体的アプローチが有効なケースも多くあります。
平井塾では、そのグレーゾーンの痛みに対して、安全かつ理論的な方法でサポートできる技術を追求しています。
肩関節周囲炎と五十肩の関係
「五十肩」と「肩関節周囲炎」は、基本的に同じ意味で使われています。
ただし、実際の現場では「肩関節周囲炎」という診断の中に、軽症のものから重度の癒着まで、幅広い状態が含まれています。
炎症が強い時期は「動かすと激痛が走る」こともありますが、この時期を過ぎても痛みが続く場合、それは関節周囲の構造的拘縮(こうしゅく)が残っているサインです。
この状態を放置すると、可動域が狭くなり、「手が後ろに回らない」「上着を着るのが難しい」といった慢性的な不調へと進行します。
平井塾の視点では、炎症が落ち着いた後の「構造の修復」こそが最も重要と考えます。
ファシア(筋膜)や関節の動きを正しく導き、身体本来の動きの連鎖を取り戻すことが、再発しにくい健康な肩づくりにつながるのです。
以上が、「五十肩」そのものに対する理解のパートです。
次の章では、いよいよ多くの方が悩む「寝起きの痛み」に焦点を当てて、その原因と仕組みを詳しく見ていきましょう。
寝起きに痛みが出る原因

朝起きたら肩が痛い!主な原因を探る
朝起きたとき、肩がズキッと痛む。
多くの方が「寝相が悪かったのかな?」と思われますが、実はこの寝起きの痛みには、いくつかの生理的・構造的な理由があります。
まず、夜間は日中に比べて血流やリンパの流れがゆるやかになります。
人間の体は睡眠中、体温や代謝が下がるため、筋肉や関節への血液供給が減少します。
その結果、すでに炎症や循環の悪化がある肩では、酸素不足や老廃物の滞留によって痛みが強く出やすくなるのです。
また、長時間同じ姿勢で寝ていると、肩周囲の筋肉(特に棘上筋や三角筋)が硬くなり、関節包を圧迫します。
この「局所の緊張」と「循環の滞り」が組み合わさることで、朝方に痛みがピークを迎えるというわけです。
整体的に見ると、寝起きの痛みは「肩だけの問題」ではありません。
肩甲骨の動きが制限されていたり、胸郭(肋骨の動き)が硬くなっていたりすると、肩の位置が夜間にロックされたように固定され、回復の妨げになります。
つまり、痛みの根本は「寝ている間の姿勢」よりも、日中の姿勢習慣によってつくられた身体の構造の歪みにあるのです。
夜間痛のメカニズムと筋肉の役割
五十肩の代表的な症状のひとつに「夜間痛(やかんつう)」があります。
夜間痛は、寝ている時に肩を動かさなくても痛みが出る状態で、眠りを妨げ、疲労やストレスの原因にもなります。
この夜間痛のメカニズムは、主に次の3つです。
- 肩関節包の炎症と圧力変化
→ 寝ている間に肩の角度が変わると、関節包の中で炎症を起こしている部分が引き伸ばされ、痛みを誘発します。 - 筋肉の緊張と血行不良
→ 特に肩甲下筋や大円筋など、肩を支える深層筋が固くなると、血液が滞り、発痛物質(ブラジキニンなど)が溜まりやすくなります。 - 体液循環の低下
→ 寝ている間にリンパ・静脈の流れが弱まり、老廃物が肩関節まわりに留まりやすくなります。
平井塾の考え方では、これらは単なる「筋肉のコリ」ではなく、全身の循環リズムが乱れているサインだと捉えます。
肩だけを揉んだり温めたりしても根本改善に至らないのは、血流の通り道である背中・肋骨・鎖骨下の詰まりを見逃しているからです。
FJA(ファシアティック・ジョイント・アプローチ)では、こうした流れを止めている構造的な要素を手で読み取り、筋膜や関節の微細な動きを回復させることで、夜間痛を軽減させていきます。
痛みの悪化を引き起こす姿勢とは?
「寝ている姿勢」そのものも、痛みの強さに影響を与えます。
うつ伏せや横向きで片側の肩を下にして寝ると、肩の前側(特に上腕二頭筋腱や関節包前部)が圧迫され、血流が遮断されやすくなります。
その状態で数時間同じ姿勢をとると、朝になってから肩の可動域が狭くなり、動かした瞬間に鋭い痛みが走ることがあります。
一方、仰向けでも、背中や首のカーブが崩れていると、肩が自然に外側に引っ張られてしまい、「常に肩を浮かせた状態」で寝ているような形になることもあります。
このような姿勢の崩れは、単に寝方の問題ではなく、日常の「立ち姿勢」「座り姿勢」「呼吸の浅さ」など、体幹のアンバランスから来ていることがほとんどです。
平井塾が提唱する「姿勢循環整体」では、この姿勢の循環を整えることで、夜間や寝起きの痛みを和らげていきます。
単に肩を動かすのではなく、体全体を一つのユニットとして整えることで、睡眠中の自然な回復力が高まり、朝の痛みが軽くなっていくのです。
このように、寝起きの痛みは「寝方」だけが原因ではありません。
体の構造や循環、姿勢バランスなど、全身のつながりを理解することが改善の第一歩です。
なぜ整形外科の治療では改善しにくいのか?

関節だけを見ても根本原因にたどり着けない理由
整形外科では、レントゲンやMRIなどで関節の状態を確認し、「炎症があるか」「骨や腱に損傷がないか」を調べることが一般的です。
この医学的な診断は非常に重要で、重大な疾患を見逃さないために欠かせません。
しかし、画像に異常が見られないにもかかわらず、「痛みが取れない」「可動域が戻らない」という患者さんが多くいます。
これは、構造の問題が静止画像では映らないからです。
肩の動きは、肩甲骨・鎖骨・肋骨・背骨など、複数の関節と筋膜が連動して成立しています。
そのため、どこか一部でも「動かない部位」があると、別の場所が過剰に動こうとして痛みを起こすのです。
例えば、肩甲骨が動かない状態で腕を上げようとすると、肩の前側(上腕二頭筋腱)や関節包が引き伸ばされ、炎症が再発しやすくなります。
このような動きの連鎖エラーは、静止した画像では見えません。
平井塾では、この「構造の連動エラー」を丁寧に読み取り、動きながら診るという臨床思考を重視しています。
押すではなく、観察する手によって、患者さんの体がどの方向に「抵抗」や「制限」を感じているかを対話するように確認していきます。
画像検査では分からない体の構造的なゆがみ
画像検査では骨や腱の損傷は分かりますが、実は「筋膜(ファシア)」や「関節間の滑走不全」といった微細な構造異常は映りません。
筋膜とは、筋肉や臓器、神経を包む薄い膜で、全身をネットワークのようにつなげています。
この筋膜がねじれたり、固まったりすると、肩関節の動きだけでなく、肋骨や背骨の動きまでも制限してしまいます。
たとえば、デスクワークで猫背姿勢が続くと、胸の筋膜が縮み、肩を前方に引っ張る力が働きます。
すると、肩を後ろに引こうとするだけで痛みが出やすくなります。
このような「体の構造的なゆがみ」を整えるには、炎症の治療だけでなく、全身のバランスを調整するアプローチが必要です。
平井塾のFJA(ファシアティック・ジョイント・アプローチ)は、この筋膜や関節の微妙なズレを触診で感じ取り、体の自然な可動方向を導くことを目的としています。
それにより、肩の動きが軽くなり、「何をしても痛かった動作」が徐々に楽になる変化が生まれます。
炎症が落ち着いても痛みが残るメカニズム
多くの方が誤解しがちなのが、「炎症が治まれば痛みは消えるはず」という考え方です。
実際には、炎症が治まっても可動域制限や慢性的な違和感が残るケースが多いのです。
その理由は、炎症によって固くなった関節包や筋膜が、動かさない時間の中で癒着を起こしているからです。
関節包が硬くなった状態では、動かそうとするたびに再び刺激が加わり、「痛みのループ」に陥ってしまいます。
この段階では、薬や注射では十分な変化が得られません。
必要なのは、「再び動ける構造を取り戻すこと」です。
平井塾のアプローチでは、FJAで細部のエラーを整えた後、「姿勢循環整体」で全身のバランスと循環を再構築していきます。
この流れによって、
・肩だけでなく肋骨や背骨の動きが改善
・血流・リンパ・神経の流れがスムーズに
・自然な姿勢の中で動いても痛くない状態が戻る
といった変化が期待できます。
整形外科の治療が悪いということではありません。
医療の力は「炎症を抑える」「重症を防ぐ」という重要な役割を担っています。
ただし、五十肩のように構造の乱れと循環の滞りが絡む痛みは、「画像に映らない世界」を見ていく必要があります。
平井塾では、医療と整体の橋渡しとして、安全で根拠ある構造思考型の整体を提供することを目指しています。
整体でみる「五十肩」|平井塾が考える構造の崩れとは

肩だけでなく、肋骨・背骨・骨盤の連動がカギ
五十肩というと「肩関節だけの問題」と思われがちですが、実際には体の連動が崩れた結果として肩が動かなくなるケースが多く見られます。
私たちの肩の動きは、肩甲骨・鎖骨・肋骨・背骨・骨盤がすべて関係しており、どれか一つでも動きが悪くなると、肩関節が代わりに無理をする状態になります。
たとえば、デスクワークで背中が丸まると肋骨の動きが制限され、肩甲骨が下方向へ引き下げられやすくなります。
すると、腕を上げるたびに肩前方が引っ張られ、肩の前側に集中する痛みが出やすくなるのです。
さらに、骨盤の歪みがあると、体幹全体のバランスが崩れ、肩の動きにもねじれの力が加わります。
このような「全身の連動の乱れ」を整えない限り、肩の痛みは一時的に軽くなっても再発しやすいのです。
平井塾では、こうした「肩を超えた構造の連鎖」を読み解く力を大切にしています。
肩の痛みを見ながらも、背骨や骨盤の微細な動きを同時に観察することで、体の中で本当に止まっている部分を見つけていきます。
筋肉よりもファシア(膜)のつながりに注目する理由
従来のマッサージやストレッチは、「硬くなった筋肉をほぐす」「動かない関節を動かす」という考え方が中心でした。
もちろんそれも大切ですが、五十肩の場合は筋肉だけに原因があるわけではありません。
最近の研究では、筋肉を包むファシア(筋膜)の存在が注目されています。
ファシアは体中をくまなく包み込み、肩と背中、首、胸、腕などを一本の糸のように連結している組織です。
このファシアがねじれたり、癒着したりすると、その部分だけでなく、離れた箇所の動きまでも制限してしまいます。
つまり、肩が痛いときでも、原因は背中や腕の膜の滑りにあることも珍しくありません。
平井塾のFJA(ファシアティック・ジョイント・アプローチ)は、まさにこのファシアの連動を解きほぐす技術です。
「押す」「揉む」ではなく、施術者の手で体の微細な動きと対話しながら整えることで、筋肉だけでなく、関節・神経・循環までを自然な流れへと戻していきます。
このファシアの調整が進むと、肩の動きが軽くなるだけでなく、呼吸が深くなり、全身が温かくなるような感覚が生まれます。
それはまさに、身体が元のリズムを取り戻す瞬間です。
「動かすと痛い」ではなく「動かせない構造」が原因
五十肩の痛みを訴える方の多くが口にされるのが、「動かすと痛い」「無理に上げるとズキッとくる」という言葉です。
しかし、平井塾の視点では、この「痛み」は単に炎症の反応ではなく、動かせない構造に無理をかけたサインだと考えます。
関節が正しい位置で動いていない状態では、たとえ少しの動作でも関節包や腱に負担が集中し、痛みを引き起こします。
つまり、問題は「動かしたから痛い」のではなく、動かす準備が整っていない体にあります。
このような場合、無理にストレッチを続けたり、痛みを我慢して動かそうとすると、かえって炎症を悪化させてしまうこともあります。
平井塾の施術では、まず「どこが動きを止めているのか」を見極め、FJAでそのブロックを丁寧に解きながら、姿勢循環整体で全身の流れを再構築していきます。
すると、ある日ふとした動作で、「あれ?肩が軽い」「朝の痛みが弱くなった」と感じる瞬間が訪れます。
これは、体が動かせる構造を取り戻した証拠です。
FJA(ファシアティック・ジョイント・アプローチ)で見つける細部の原因

痛みの出る肩ではなく、負担をかけている箇所を探す
多くの治療や施術では、「痛い場所=原因の場所」と考えがちです。
しかし、平井塾のFJAではその考え方を根本から見直します。
五十肩のような慢性的な痛みは、「痛みの出ている場所」よりも「負担をかけている場所」に本当の原因があることがほとんどです。
たとえば、右肩が痛い場合でも、実際には反対側の背中、または腰や骨盤の歪みが引き金になっていることがあります。
人間の体はすべてつながっており、一部のねじれや硬さが全身のバランスを狂わせ、肩関節にストレスを集中させてしまうのです。
FJAでは、施術者の手を使って、筋肉や関節、ファシア(筋膜)の「動きの異常」を丁寧に探ります。
力任せに押すのではなく、観察する手で体に聴くように触れるのが特徴です。
痛みを追うのではなく、体全体の動きの中でどこが動きを止めているのかを探す。
この考え方こそ、平井塾が重視する構造思考型の臨床です。
ファシア・関節・神経の三層から原因を読み解く
FJAが他の整体や手技療法と大きく異なる点は、「身体を三層構造で捉える」という視点にあります。
- ファシア(膜)層:筋膜や腱膜など、全身を包む組織。ここにねじれがあると、筋肉や関節の動きが制限される。
- 関節層:骨同士の噛み合わせや滑走。関節包の動きが硬くなると、肩の動きが途中で止まる。
- 神経層:痛みの信号や筋出力をコントロールする中枢。神経が過敏化すると、「動かす=怖い」という身体反応が出る。
FJAでは、これら三層のどこに問題があるのかを、施術者が指先の感覚で見分けることを目指します。
単に「硬い」「柔らかい」ではなく、膜の抵抗感・関節の滑り・神経の反応などを聴くように触れることで、体の内側で起きている異常な緊張を捉えることができます。
このアプローチによって、痛みの根本原因を見逃さず、より的確な調整が可能になります。
「観察と調整の対話」で体が変わるプロセス
FJAで大切にしているのは、「体と対話する」ように観察しながら調整することです。
たとえば、施術中に軽く触れただけで体の反応が変わる瞬間があります。
それは、無理に動かしたのではなく、体が「その方向なら安全だ」と判断して自然に動き出したサインです。
平井先生はこの瞬間を「体の答えを待つ」と表現します。
施術者が主導するのではなく、体の構造そのものが自ら整おうとする力を尊重するのです。
この考え方は、平井塾の根本哲学である
「手技とは、力ではなく理解である」という言葉に象徴されています。
五十肩においても、FJAで細部の緊張が解けると、肩だけでなく背中や首、腕の動きまで一気に軽くなることがあります。
それは、体の中で「つながり」が再び通った証拠です。
FJAがもたらす変化
- 痛みのある部位に直接触れなくても、動きが改善する
- 動かしても痛くない範囲が自然に広がる
- 呼吸が深くなり、全身の血流が良くなる
- 体がリラックスし、眠りの質が上がる
これらの変化は、単なる治療ではなく、身体そのものが「正しい状態」を思い出していくプロセスです。
姿勢循環整体で全身のバランスと回復力を引き出す

姿勢と循環を整えることで「寝起きの痛み」が軽くなる理由
五十肩で「朝起きたときに痛い」という方の多くは、夜間に血流やリンパの流れが滞っています。
これは、肩だけの問題ではなく、全身の循環システムがうまく働いていない状態です。
姿勢循環整体では、この流れに注目します。
身体は姿勢が整うことで、筋肉・血管・神経が最もスムーズに働くようにできています。
逆に姿勢が崩れると、重力のバランスが乱れ、ある部分には過剰な圧力がかかり、他の部分は動かなくなります。
たとえば、猫背姿勢が続くと胸が圧迫され、心臓から送られた血液が肩や腕に届きにくくなります。
その結果、寝ている間に肩の血流が滞り、朝方に痛みが強く出るという現象が起こるのです。
姿勢循環整体では、このような循環の悪循環を解きほぐし、姿勢を通して体液(血液・リンパ液・脳脊髄液)の流れを回復させます。
循環が整うと、筋肉は自然に柔らかくなり、痛みを起こしていた組織が酸素を取り戻していきます。
静脈・リンパ・神経の流れを促す整体的アプローチ
姿勢循環整体の大きな特徴は、「循環をつくる通り道を整える」という発想にあります。
たとえば、
- 静脈:血液を心臓に戻す通り道。首・鎖骨下・腋の詰まりが肩のむくみや重さを生む。
- リンパ:老廃物を排出する流れ。胸郭や肋骨の動きが鈍いと、回収が滞る。
- 神経:動作や痛みを司る通信路。背骨や肩甲骨のズレが神経の通りを阻害する。
姿勢循環整体では、この3つの流れを手技によって解放し、「全身をめぐるリズム」を取り戻します。
ここでも力任せの矯正は行いません。
軽いリズムの圧や微細な動きを使って、体が「自然に呼吸し始める」ように導きます。
平井塾ではこれを
流れが通うと、痛みのある肩だけでなく、背中のこわばりや頭の重さまでも軽くなることがあります。
これは、体が全体としてひとつのユニットとして働き始めた証拠です。
「体を一つのユニットとして診る」平井塾の哲学
平井塾が大切にしているのは、部分ではなく全体を診る姿勢です。
人間の体は、骨・筋肉・神経・血管・内臓すべてが連携して機能しています。
肩の痛みを肩だけで解釈するのは、ピアノの一鍵だけを直して音の狂いを治そうとするようなもの。
大切なのは、全体の調和(ハーモニー)を整えることなのです。
FJAで細部を丁寧に調整し、姿勢循環整体で全身を整えることで、身体は再び「重力の中で無理なく立てる」状態に戻っていきます。
その結果、寝起きの痛みや肩のだるさが自然と軽減していきます。
この全体を診る視点は、オステオパシーの「身体は一つのユニットである」という哲学にも通じます。
平井塾では、古典的な知恵と現代的な臨床思考を融合させながら、「構造が変われば循環が変わる、循環が変われば体が変わる」という治癒の原則を実践しています。
姿勢循環整体の効果(臨床的な変化の一例)
- 朝起きた時の肩のこわばりや痛みが軽くなる
- 肩を動かしても詰まる感じが減る
- 肩だけでなく背中・首・腕まで軽くなる
- 呼吸が深くなり、睡眠の質が向上する
これらの変化は、単に「肩が治った」というだけではありません。
全身が調和を取り戻した結果、自然治癒力が再び働き始めた証なのです。
実際の改善例|寝起きの痛みが減った50代女性のケース

初診時の状態と日常動作の困難さ
患者さんは50代の女性。
半年ほど前から右肩に違和感を感じ、朝起きると「ズキッ」とした痛みが出るようになったといいます。
整形外科で「五十肩(肩関節周囲炎)」と診断され、リハビリや痛み止め、湿布を続けていたものの、「寝返りを打つたびに痛みで目が覚める」状態が続いていました。
日中はなんとか家事をこなせるものの、夜になると肩が重く、腕を上げる動作や背中に手を回すことが難しい。
「もう歳だから仕方ないのかな」と諦めかけていたタイミングで、平井塾の推薦院を訪れました。
初診時の評価では、
- 肩を前方に上げると90度で痛み(挙上制限)
- 肩甲骨の動きが小さく、肋骨が硬い
- 背骨のねじれと骨盤の傾きが顕著
- 右鎖骨下部の筋膜が癒着している
という状態。
典型的な「構造の連動エラー」による五十肩のパターンでした。
FJA+姿勢循環整体による3ヶ月の変化
最初の1ヶ月間は、FJA(ファシアティック・ジョイント・アプローチ)を中心に施術。
肩そのものではなく、鎖骨下・肋骨・肩甲骨周囲のファシアの動きを解放することを目的としました。
初回の施術後から「肩が少し温かくなった」「夜中に起きる回数が減った」との変化が見られ、2回目以降は痛みのピーク時間が短くなっていきました。
2ヶ月目には姿勢循環整体を併用。
骨盤と胸郭のバランスを整え、体全体の循環を改善する方向へアプローチ。
肩の動きに合わせて呼吸を整える施術を行うことで、肩の上がりがスムーズになり、「朝のこわばり」が徐々に軽くなりました。
3ヶ月目には、
- 肩の可動域が150度まで改善
- 寝返りをしても痛みがほとんど出ない
- 朝の動き出しがスムーズに
- 睡眠の質が向上し、疲れにくくなった
という結果に。
施術者の手がけたFJA+姿勢循環整体の組み合わせにより、動かせない構造が少しずつ整い、体が自ら回復できる循環を取り戻したことが、改善の決め手となりました。
患者さんが語る「朝の目覚めが変わった」実感
患者さんは施術の経過をこう話してくれました。
「最初は本当に寝るのが怖かったです。
でも、2ヶ月を過ぎた頃からあれ?痛くないかもと思う日が出てきました。
朝、スッと腕が上がるようになったときは涙が出るほど嬉しかったです。
今は夜もぐっすり眠れて、気持ちまで明るくなりました。」
このように、五十肩の改善は「炎症が治る」だけでなく、眠れるようになった、朝が怖くなくなったといった生活の質(QOL)の回復が大きな変化の一つです。
平井塾の手技は単なるテクニックではなく、施術者と患者さんが一緒に「体を聴く」プロセス。
安心して体を預けられる信頼関係があることで、心身の緊張が解け、回復力が自然に引き出されていくのです。
五十肩を悪化させないためにできる日常ケア

寝る姿勢と枕の高さの見直し
寝起きに肩の痛みが強く出る方の多くは、寝る姿勢によって肩周囲の圧迫や血流の滞りが起きています。
まず大切なのは、「肩が沈み込まない姿勢」を意識することです。
横向き寝の場合、下になった肩が体重で圧迫され、関節包や筋膜が固まってしまうことがあります。
どうしても横向きになる場合は、脇の下に小さなタオルを入れるなどして、肩が沈みすぎないように工夫すると良いでしょう。
また、仰向け寝の際は枕の高さにも注意が必要です。
高すぎる枕は首から肩にかけての筋肉を緊張させ、逆に低すぎると頭が後ろに倒れて血流を妨げます。
理想は「首と背中が自然なカーブを描く高さ」。頭の後ろが軽く支えられ、顎が少し引ける位置が目安です。
平井塾では、寝姿勢の質が体の回復力を左右すると考えます。
眠っている間に体は修復・再生を行うため、肩がリラックスできる環境を整えることが、最も自然で効果的なケアのひとつです。
痛みを我慢して動かさない方がいい?その見極め方
五十肩のケアで多くの方が迷うのが、「痛くても動かしたほうがいいの?」という疑問です。
答えは動かし方次第です。
炎症が強い初期(激痛で眠れない時期)は、無理に動かすと逆効果です。
この時期は、冷やす・安静を保つ・医師の指導を受けることが大切です。
一方、炎症が落ち着いてきた中期以降は、完全に動かさないでいると、関節包や筋膜がさらに硬くなり、「癒着(ゆちゃく)」を起こしてしまいます。
そこで有効なのが、痛みを感じない範囲で小さく動かすということ。
たとえば、
- 肩をすくめるように軽く上下に動かす
- 肘を体に近づけたまま、前後に少し揺らす
- 深呼吸に合わせて胸をゆっくり開く
といった、無理のない範囲の循環運動を行うと良いです。
平井塾では、こうした「構造を壊さない動き」を重視しています。
動かすことが目的ではなく、「体に呼吸を通す」ことが目的。
それが、関節や筋膜をゆるめ、血流を促す最良のリハビリになります。
体の「循環」を止めない生活習慣のコツ
整体で整った体を長持ちさせるためには、「循環を止めない生活」が何より大切です。
現代人の多くは、長時間のデスクワークやスマホ操作などで、肩と胸まわりの筋膜が固まりやすい生活をしています。
以下のような習慣を心がけることで、日常の中でも肩の循環を保ちやすくなります。
日常の循環を保つためのポイント
- 1時間に一度は姿勢をリセットする
→ 背伸びや肩回しを軽く行い、胸を開く。 - 呼吸を止めない
→ ストレスや集中時に呼吸が浅くなると、循環も止まります。深呼吸を意識的に。 - 湯船にゆっくり浸かる
→ 温熱によって血流とリンパが促進され、筋肉が自然に緩みます。 - 睡眠前のスマホ使用を控える
→ 首や肩の緊張が取れず、夜間の痛みを悪化させる原因に。
これらはどれも簡単なことですが、「体が回復できる時間」をつくるうえで非常に重要です。
平井塾では、施術だけでなく、日常の中で治る力を育てる考え方を大切にしています。
一人ひとりが自分の体に気づき、整える習慣を持つことが、再発しにくい健康な肩づくりの第一歩になります。
まとめ|構造を整えることで自然に治る力を取り戻す

関節を治すのではなく、体全体の調和を取り戻す
五十肩は、決して「肩だけの病気」ではありません。
整形外科の検査で異常が見られなくても、実際の体の中では「動かない構造」や「滞る循環」が起きています。
平井塾の考え方では、痛みは体が整っていないことを知らせるサインです。
だからこそ、痛みを敵とせず、体の声として丁寧に聴くことが大切です。
FJA(ファシアティック・ジョイント・アプローチ)で細部のエラーを見つけ、姿勢循環整体で全身のバランスと流れを整える。
この二つを組み合わせることで、「治す」ではなく「戻す」つまり、本来の体の構造を取り戻すというアプローチが可能になります。
その結果、関節の可動域だけでなく、呼吸の深さ、姿勢の安定、睡眠の質といった全身の調和が回復し、体が自然に治っていく方向へ動き出すのです。
信頼できる施術者とともに「回復力」を育てる大切さ
身体の変化は、施術者の手技だけで起こるものではありません。
最も重要なのは、患者さんと施術者の信頼関係です。
痛みや不安を抱えた体は、無意識のうちに緊張しています。
どんなに優れた技術でも、心が安心していない状態では、身体は守りに入ってしまい、変化が起こりにくいのです。
平井塾では、手技の技術だけでなく、「傾聴する手」「寄り添う姿勢」を持つ施術者の育成を大切にしています。
施術とは、体と心の両方に安心感を届ける仕事です。
信頼できる施術者と共に体を整えていくことで、患者さん自身の「治る力」が再び働き始めます。
この回復力の再生こそが、平井塾の整体哲学の核にあります。
必要に応じて医療機関と連携する安全なケア
平井塾では、整体を万能とは考えていません。
五十肩のような症状でも、場合によっては医療機関での検査や治療が必要になるケースもあります。
そのため、施術者には常に「安全の判断」を求めています。
「これは整体で扱うべき痛みか?」「医療の領域に委ねるべきか?」
その見極めを持つことが、患者さんの安心につながるからです。
整体と医療がそれぞれの強みを活かして連携することで、より確実で安全な改善が期待できます。
平井塾は、医療と共に歩む整体という在り方を大切にしています。
体を信じることが、回復の第一歩
五十肩の痛みは長引くことがありますが、それは「体がもう一度バランスを取り戻そうとしている時間」でもあります。
焦らず、自分の体を信じてあげてください。
そして、もし迷ったときは、構造を見て、体の声を聴く施術者に相談してください。
平井塾では、FJAと姿勢循環整体を通して、あなたの体が本来持っている自然治癒の力を取り戻すお手伝いをしています。
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投稿者情報:平井 大樹

みゅう整骨院 代表。平井塾 代表。柔道整復師・スポーツトレーナー。
「患者様の人生に、心からの安心を。」
私は、これまで20年間、延べ10万人を超える患者様と向き合ってきました。その中で最も大切にしてきたのは、「痛みを取る」ことだけではなく、「患者様が心から安心して過ごせる毎日を取り戻す」ことです。
- 長期にわたる信頼:みゅう整骨院には、5年以上通われる方が308名、10年以上通われる方も100名いらっしゃいます。これは、一時的な改善ではなく、患者様が私たちに一生の健康を任せてくださっている証です。
- 根本的なアプローチ:FJA(ファシアティックジョイントアプローチ)、姿勢循環整体という独自の手技で、痛みの箇所だけでなく、その根本原因である身体全体の歪みや動きの不調にアプローチします。
- 平井の予約が取れない理由:開業後、患者様の紹介がメインで予約が満員になりました。2020年以降、新規予約は5年待ちの状態です。現在、新規予約を取る予定はありませんが、みゅう整骨院または、平井塾受講生から同じ施術を受けることができます。
このコラムが、あなたの不調を改善し、より豊かな毎日を送るための一歩となれば幸いです。

