夜、横になると肩がズキズキ痛んで眠れない。
そんな五十肩(肩関節周囲炎)による夜間痛にお悩みではありませんか?
昼間は我慢できても、夜になると痛みが増して寝返りができず、「この痛み、いつまで続くんだろう…」と不安になる方は少なくありません。
実は、この「夜になると痛くなる」現象には、姿勢・循環・関節構造という体の仕組みが大きく関係しています。
つまり、寝方や枕の使い方ひとつで、痛みが強くなることもあれば、やわらぐこともあるのです。
整形外科では、五十肩の夜間痛は「炎症期の典型的な症状」とされ、安静や薬による痛みのコントロールが勧められます。
しかし、整体的な視点で見ると、痛みの背景には体全体の構造バランスの崩れが隠れています。
平井塾では、20年以上・10万件を超える臨床経験から、五十肩の夜間痛を「肩だけの問題」とは考えません。
FJA(ファシアティック・ジョイント・アプローチ)で細部の動きを整え、姿勢循環整体で全身の流れを回復させることで、眠れる体を取り戻すための構造づくりを重視しています。
この記事では、夜間痛が起こる原因と寝方の関係を分かりやすく解説し、今夜から実践できる痛みをやわらげる寝方の5つのコツを紹介します。
さらに後半では、
・夜間痛がいつまで続くのか
・医療機関を受診すべきサイン
・整体でできる構造的ケア
など、安心して回復へ向かうための知識もお伝えします。
この記事でわかること
- 五十肩の夜間痛が起こるメカニズム
- 肩に負担をかけない寝方と寝具の工夫
- 痛みを悪化させるNG姿勢
- 夜間痛の経過と整体的な回復の考え方
- 平井塾の構造を整えるアプローチ
眠れない夜が続くと、心も体も疲弊してしまいます。
この記事が、そんな夜を少しでも安心して過ごすためのヒントになれば幸いです。
目次
はじめに|五十肩の夜間痛で眠れないあなたへ

夜になると肩がズキズキ痛むのはなぜ?
昼間はなんとか動かせても、夜になるとズキズキと痛みが強くなる。
それが五十肩の夜間痛(やかんつう)の特徴です。
夜間痛が起こる主な理由は、血流と体液の循環が低下するためです。
人は眠るとき、副交感神経が優位になり血流がゆるやかになります。
その結果、肩関節にたまった炎症物質(発痛物質)が外へ流れにくくなり、関節内の圧力が上昇して痛みを感じやすくなるのです。
また、横になることで肩の位置が変わり、重力の影響を受けやすくなるのも要因のひとつ。
立っているときは腕の重みが体幹で支えられますが、寝ると肩の関節そのものに負担がかかりやすくなります。
つまり、五十肩の夜間痛は「眠る姿勢」と「循環の低下」が重なった結果なのです。
寝方ひとつで痛みが変わる理由
五十肩の夜間痛では、寝方(姿勢)によって痛みの強さが大きく変わります。
- 肩を下にして寝る → 関節包や筋膜が圧迫されてズキズキ痛む
- 仰向けで肩が浮く → 関節が不安定になり筋肉が緊張する
- 枕が高すぎる → 首〜肩の血流が悪化し、炎症物質がたまりやすくなる
このように、寝方次第で「痛みを増やす構造」または「痛みを緩める構造」が生まれます。
平井塾では、五十肩の夜間痛を「姿勢循環の乱れ」としてとらえています。
FJA(ファシアティック・ジョイント・アプローチ)によって肩や胸郭(きょうかく)の動きを整え、姿勢循環整体で血液・リンパ・神経の流れを回復させると、夜の痛みが徐々にやわらぐケースが多く見られます。
この考え方は、「痛みを消す」のではなく、体が自ら治る環境をつくるという平井塾の構造思考に基づいています。
安心して休むための第一歩は、構造を知ること
夜間痛で眠れない時間が続くと、「このまま治らないのでは…」と不安が募ってしまうものです。
しかし、体の仕組みを理解すれば、その痛みが悪いことではなく回復のサインであることが見えてきます。
痛みがある=体が修復しようとしている証拠。
その働きを邪魔しない姿勢や環境を整えることが、自然治癒のスイッチを入れる一番の近道です。
これからの章では、夜間痛が起こる原因、寝姿勢の工夫、そして正しいケアの方法をひとつずつ詳しくお伝えしていきます。
夜間痛が起こる原因を理解しよう

五十肩の炎症期に起こる「夜の痛み」
五十肩(肩関節周囲炎)は、発症の初期に「炎症期」と呼ばれる時期があります。
この時期は、肩の内部で関節包(かんせつほう)や滑液包などの組織が炎症を起こしており、安静にしていてもズキズキと痛みが出やすくなります。
夜間痛が強く出る理由のひとつは、炎症による圧の上昇です。
関節内に炎症性の体液が溜まると、その圧が神経を刺激して痛みが起こります。
昼間は動かしていることで循環が保たれますが、寝ている間は体が静止し、関節内の圧が高まりやすくなるため、痛みが強く感じられるのです。
さらに、夜は副交感神経が優位になり、痛みの感受性が高まることも関係しています。
つまり、五十肩の夜間痛は「炎症」「圧」「神経反応」の3つが重なって生じているのです。
血流・体液の滞りと姿勢の関係
夜間痛を悪化させるもう一つの要因が、血流やリンパなどの体液循環の滞りです。
日中は動いているため自然と循環が保たれますが、寝ると筋肉のポンプ作用が弱まり、血液やリンパの流れが停滞しがちになります。
その結果、炎症によって発生した老廃物や痛み物質(ブラジキニンやヒスタミンなど)が肩関節周囲に滞留し、痛みを引き起こすのです。
また、寝る姿勢によっては肩が下に沈み込み、関節や筋膜が圧迫されてさらに循環が悪化します。
平井塾では、この状態を「姿勢循環のエラー」と呼びます。
FJA(ファシアティック・ジョイント・アプローチ)では、関節や筋膜の動きを回復させ、滞った体液の流れを再び通すことを目的とします。
血流とリンパがスムーズに流れることで、肩周囲の炎症物質が排出され、夜の痛みが徐々にやわらいでいくのです。
寝返りができないと痛みが増す理由
夜間痛を長引かせる大きな原因の一つが、寝返りの減少です。
寝返りは、眠っている間に体の圧を分散させる重要な動作です。
しかし、五十肩になると「動かすと痛い」ために、無意識に寝返りを避けるようになります。
すると、同じ姿勢で長時間過ごすことになり、肩関節や筋肉がさらに固まり、血流が滞って痛みが悪化するという悪循環が起こります。
平井塾では、このような「体が動けなくなっている状態」を構造的停止と呼び、
夜間痛を単なる炎症ではなく、構造が動かなくなった結果としての痛みととらえます。
つまり、夜間痛を根本的に改善するには、「炎症を抑えること」だけでなく、体が動ける構造を取り戻すことが重要なのです。
まとめ:夜間痛は体のSOS
夜間痛は、体が「もうこれ以上無理をしてはいけない」と教えてくれているサインでもあります。
眠るときに痛むということは、回復の時間に体が十分に休めていない状態。
だからこそ、寝方や姿勢を工夫して、肩にかかる負担を軽くしてあげることが何より大切です。
寝る姿勢が夜間痛に与える影響

仰向け寝と横向き寝の違い
五十肩の夜間痛に悩む方の多くが、「仰向けで寝ると肩が浮いて痛い」「横向きだと反対側の肩がしびれる」といった体勢の不快感を訴えます。
実は、どちらの姿勢にもメリットとデメリットがあります。
仰向け寝(あおむけ)
メリット:
- 背骨のラインがまっすぐ保たれやすい
- 肩への直接的な圧が少ない
- 体全体のバランスが取りやすい
デメリット:
- 肩がベッドから浮くと関節が不安定になり、痛みが出やすい
- 腕の重みが肩関節にかかる
- 枕が高すぎると首〜肩の循環が悪化する
横向き寝
メリット:
- 痛い側の肩を上にして寝ると、圧が逃げて楽に感じることがある
- クッションを抱えると肩の安定感が増す
デメリット:
- 下側の肩が体重で圧迫されやすく、血流が悪化
- 胸が閉じて呼吸が浅くなる
- 姿勢が崩れると、首や背中にも負担が広がる
つまり、どちらの姿勢にも落とし穴があり、五十肩の場合は「角度と支え方」が非常に重要になります。
五十肩に最適な寝る姿勢は?
五十肩の夜間痛をやわらげる理想の姿勢は、「やや斜め横向き+肩の下にタオルやクッションを入れる」寝方です。
具体的には次のように整えましょう。
- 痛い方の肩を上にする(下にすると圧迫で痛みが増す)
- 肩の下と腕の間にバスタオルや枕を挟む
- 肘は少し曲げ、腕を胸の前で軽く抱えるようにする
- 首から背中にかけてのラインを、枕で水平に保つ
この姿勢にすると、関節包や筋膜にかかるテンションが分散され、肩がふわっと浮いたような感覚になります。
また、胸郭(肋骨まわり)が開くため呼吸が深くなり、夜間の循環が整いやすくなるのです。
平井塾の臨床でも、この「構造を支える寝方」を続けた患者さんは、数日で夜間痛の強さが半分以下に軽減するケースもあります。
姿勢が悪化を招く理由
間違った姿勢で寝ていると、夜間痛が長引くだけでなく、回復のスピードそのものを遅らせてしまいます。
たとえば、
- 肩が内側に巻いた姿勢(巻き肩)
- 枕が高く、頭が前に出ている状態
- 腕が体の下に潜り込む体勢
これらの姿勢では、肩関節の前側が圧迫され、関節包の血流がさらに悪化します。
特に「うつ伏せ寝」は最も負担が大きく、五十肩の炎症を悪化させる原因となるため避けるべきです。
整体的に見れば、これらは「構造のロック姿勢」。
体の自然なカーブ(胸郭や背骨の動き)が止まり、関節が閉じた状態で固定されてしまうため、治癒のために必要な循環や代謝が働かなくなります。
逆に、体の構造が解放された姿勢。
つまり「胸が開き、肩が浮く寝方」を取ると、関節がリラックスし、回復スイッチが入ります。
平井塾の視点|寝姿勢も整体の一部
平井塾では、「寝る姿勢」そのものも整体の延長と考えています。
なぜなら、寝ている間こそ体は修復・再生を行っているからです。
眠っている間に姿勢循環が保たれていれば、痛みを抑える薬やマッサージに頼らなくても、体は自ら治る方向へ動いていきます。
つまり、正しい寝方は単なる「痛みを避ける方法」ではなく、治る体を育てる環境づくりでもあるのです。
痛みをやわらげる寝方のコツ5つ

① やや斜め横向きで肩を浮かせる
五十肩で眠るときに一番大切なのは、痛みのある肩に体重をかけないことです。
おすすめは「やや斜め横向き」の体勢。
仰向けよりも少し横に傾けることで、肩にかかる圧力を逃がしながらも、背骨と骨盤のラインをまっすぐ保つことができます。
- 痛い方の肩を上にする
- 体幹を約30〜45度ほど横に傾ける
- 体が前に倒れないよう、背中にクッションを当てる
この姿勢では、肩関節が吊り下げられた状態になるため、関節包や筋膜へのストレスが減り、血流も保たれます。
平井塾では、この「肩を浮かせる角度」を治癒角度と呼び、夜間痛を緩める基本姿勢として推奨しています。
② タオルやクッションで肩を支える
痛みのある肩は、筋肉や靭帯が疲弊しており、「支えの少ない状態」になっています。
そこで、肩の下にタオルや小さなクッションを入れて支えてあげると、関節が安定し、痛みの刺激が和らぎます。
使うタオルは、
- フェイスタオルを2枚ほど丸める
- 肩の高さに合わせて厚みを調整する
- 腕と体の間に挟み込むように置く
このように、肩を預けられる場所をつくることで、筋肉の緊張がゆるみ、関節包への圧が減少します。
夜間痛の強い人ほど、この「支える工夫」で眠りの質が改善します。
③ 肘の角度を少し曲げてリラックス
五十肩の方は、肘をピンと伸ばして寝ると痛みが強くなる傾向があります。
これは、肩関節から腕までの筋肉(上腕二頭筋・三角筋)が引き伸ばされるためです。
そこで、肘を軽く曲げて体の前に置き、胸の上で腕を包み込むようにすると、筋肉が緩み、神経の圧迫も減少します。
もし楽であれば、小さなクッションを抱えるようにして寝てみてください。
この抱える姿勢は、平井塾の施術でも「保護姿勢」と呼ばれ、肩の安定と心理的な安心感の両方に良い影響を与えます。
④ 首と背中のラインを保つ枕選び
枕の高さは、五十肩の夜間痛を左右する大きな要因です。
高すぎる枕は、首が前に出て肩が内巻きになり、低すぎる枕は、肩が落ちて関節が引き伸ばされてしまいます。
理想は、首のカーブと背中のラインが一直線になる高さ。
後頭部だけでなく、肩の一部も支えるような枕(やわらかめのタイプ)を選びましょう。
また、横向きで寝る場合は、枕の高さを「肩の幅+2〜3cm」ほどに調整すると、首のねじれを防げます。
平井塾の臨床では、「頭ではなく構造を支える枕」を選ぶことを推奨しています。
つまり、寝具で姿勢循環を整えるという考え方です。
⑤ 温度と湿度を整えて循環を促す
夜間痛は、冷えによる循環低下でも悪化します。
寝室の環境を整えることも大切な「構造的ケア」です。
- 冷房や暖房の風が肩に直接当たらないようにする
- 室温18〜22℃、湿度50〜60%を目安に保つ
- 就寝前に肩まわりを温めて血流を促す(蒸しタオルなど)
また、体が冷えていると筋膜が硬くなり、関節の動きが悪くなります。
寝る前に深呼吸を数回行い、肩をすくめてストンと落とすだけでも、副交感神経が働き、体の循環が整いやすくなります。
「環境を整える」ことも、平井塾では立派な整体と考えています。
なぜなら、治癒とは体が回復できる条件を整えることだからです。
まとめ:寝方を変えることは治し方を変えること
寝方の工夫は、ただの「痛み逃し」ではありません。
構造を整え、体の回復スイッチを入れるための大切なアプローチです。
今日ご紹介した5つのポイントを実践するだけで、夜間痛の強さや頻度は確実に変化していきます。
「寝る姿勢が整えば、眠りの質が変わる。眠りの質が変われば、体が変わる。」
それが平井塾の伝える治癒の循環です。
平井塾の視点|構造を整える寝姿勢とは?

肩だけでなく、胸郭と背骨の動きを保つことが大切
五十肩の夜間痛を「肩の問題」とだけ考えてしまうと、痛みの本質を見誤ってしまうことがあります。
なぜなら、肩関節は胸郭(肋骨まわり)・背骨・骨盤と連動して動いているからです。
姿勢が崩れて背中が丸まると、胸郭が閉じて呼吸が浅くなり、その影響で肩の動きも制限され、関節の圧力が上がります。
特に夜、仰向けで背中が沈む姿勢では、この「胸郭の動き」が止まりやすくなり、体液(血液・リンパ)の循環が滞って夜間痛が増しやすくなるのです。
つまり、肩だけを守る寝方ではなく、胸郭と背骨の動きを保つ寝方が必要です。
たとえば、軽く横向きで胸が少し開いた状態をつくると、呼吸が深くなり、肩の構造も自然にゆるみます。
平井塾では、このような全体構造のバランスを整える寝方を「姿勢循環寝」と呼び、
夜間痛のケアにおける構造的基礎としています。
寝る姿勢は「治る力」を引き出す時間
人の体は、眠っている間に修復・再生を行います。
つまり、「寝る姿勢」は治る時間をどう過ごすかに直結しています。
もしその姿勢が、筋肉や関節を圧迫しているなら、体は休むどころか、夜中も防御反応を起こし続けます。
逆に、構造が整った姿勢で眠ると、副交感神経が働き、筋肉がゆるみ、血流と代謝が高まります。
この状態こそ、治る力が最も働く回復構造です。
平井塾では、患者さんに「寝る姿勢も整体の一部」と伝えています。
施術で整えた体を夜の時間でも維持する。
これが、五十肩の改善を早める大切なポイントなのです。
整体的に見た夜間の回復構造とは
平井塾が考える回復構造とは、体が自然に「中心軸に戻っていく」流れを保てている状態のことです。
夜、正しい姿勢で眠ると、体の重力線がまっすぐ床に下り、筋膜(ファシア)や関節がゆるみ、体液の循環がスムーズに働き始めます。
この流れが起きているとき、肩の炎症部分にも酸素と栄養が届き、回復スピードが自然と上がっていきます。
FJA(ファシアティック・ジョイント・アプローチ)は、この構造の回復力を最大限に引き出すために生まれた手技です。
眠っている時間にも、施術で整えた関節や筋膜の動きが持続しやすくなり、夜間痛の軽減と早期回復につながります。
「楽に眠れる姿勢」は、体が教えてくれる
平井塾の施術では、患者さんに「どの姿勢が一番落ち着くか」を必ず尋ねます。
その答えこそ、体が自然に選んでいる回復の方向だからです。
「少し横向きが楽」「肩の下にタオルを入れると落ち着く」
その感覚は、体の知恵そのものです。
施術者が整えるのは構造の流れであり、患者さんが見つけるのは治る姿勢。
この両者が重なったとき、夜間痛はゆっくりと静まり、眠りの質が上がっていきます。
注意すべきポイント|やってはいけない寝方

うつ伏せ・肩を下敷きにする姿勢
五十肩で最も避けたい寝方が、うつ伏せ寝です。
うつ伏せになると、肩関節の前面が圧迫され、関節包(かんせつほう)や腱板(けんばん)に強いストレスがかかります。
特に、痛い側の肩を下にした状態は危険です。
肩の内部で炎症が再び刺激され、翌朝「動かないほど痛い」というケースも少なくありません。
平井塾では、このような姿勢を「構造の閉鎖姿勢」と呼びます。
胸郭がつぶれ、呼吸が浅くなり、
肩甲骨と肋骨の動きが完全に止まってしまうため、治癒のために必要な循環(血液・リンパ・神経の流れ)が遮断されるのです。
寝るときは、肩を下にしない・圧をかけない。
この一点を守るだけでも、夜間痛の悪化を防ぐことができます。
高すぎる枕・硬すぎるマットレス
枕や寝具の選び方も、夜間痛の悪化に大きく影響します。
- 枕が高すぎる → 頭が前に出て首が曲がり、肩が巻き込み姿勢になる
- 枕が硬すぎる → 首から肩へのカーブが支えられず、筋肉が緊張する
- マットレスが硬い → 肩の沈み込みが少なく、圧迫が強くなる
このような寝具の状態では、構造の自然なカーブ(S字ライン)が失われ、肩の循環が滞りやすくなります。
特に、硬いマットレスは「姿勢保持には良い」と誤解されがちですが、五十肩のように炎症がある状態では、関節への圧が逃げず、かえって夜間痛が強まる原因になります。
理想は、体のラインに沿ってゆるやかに沈み込み、支える素材。
寝具も「構造を支えるパートナー」として見直してみましょう。
寝る前の過剰なストレッチ・肩回し
「寝る前に動かした方が血流がよくなる」と考えて、肩を無理に回したり、ストレッチをしていませんか?
実はこれは、炎症期には逆効果になることがあります。
炎症が残っている状態で筋肉や関節を強く動かすと、内部の組織を再び刺激し、夜間痛を悪化させてしまうのです。
五十肩の初期~中期では、「動かすリハビリ」よりも「動かさない整え方」が重要。
軽い呼吸運動や、タオルで肩を支える工夫など、体が安心して休める準備をすることが整体的セルフケアです。
平井塾の臨床では、夜間痛を抱える患者さんに「寝る前は、体を動かすより整える時間」と伝えています。
深呼吸を3回、ゆっくり行うだけでも、副交感神経が働き、痛みの波が落ち着いて眠りやすくなります。
まとめ:避ける姿勢=治すための余白をつくる
五十肩の夜間痛を軽減するためには、「何をするか」だけでなく「何を避けるか」も大切です。
間違った姿勢を取らないことは、体に休む余白を与えることでもあります。
- 肩を圧迫しない
- 胸郭をつぶさない
- 無理に動かさない
この3つを意識するだけで、夜間痛の悪化を防ぎ、治る方向への流れが生まれます。
いつまで続く?夜間痛の回復期

痛みの経過と改善のプロセス
五十肩の夜間痛は、多くの場合3つの段階を経て回復していきます。
ただし、これはあくまで一般的な目安であり、年齢や体の使い方、姿勢のクセによっても変化します。
① 炎症期(発症〜約3か月)
- 肩の中で炎症が強く起きている時期。
- 夜間痛が最もつらく、眠れない・寝返りできない状態が続く。
- 肩を動かすと鋭い痛みが出るため、安静と炎症管理が最優先。
この時期に無理に動かすと炎症が悪化するため、冷却や安定した寝姿勢を保ち、動かさずに整えることが大切です。
② 拘縮期(約3〜9か月)
- 炎症が落ち着き始めるが、関節が固まり動きが制限される時期。
- 夜間痛は少しずつ減るが、「引っ張られるような痛み」が残る。
- 肩や胸郭の柔軟性を回復させるリハビリや整体が効果的。
平井塾では、ここで姿勢循環整体を用い、背骨・肋骨・肩甲骨の動きを連動させていきます。
体全体の循環が整うと、関節が「自然に動きたがる」ようになり、可動域と痛みが同時に改善していきます。
③ 回復期(約9〜18か月)
- 痛みが大幅に減少し、日常生活で支障が少なくなる。
- 夜間痛もほとんど消え、眠りが深くなる。
- ただし、無理な使い方をすると再び炎症が起こることも。
この時期は「体の使い方を変えること」が重要。
肩だけで動かすのではなく、体幹や背骨、骨盤を連動させる意識を持つと、再発防止につながります。
医療機関の受診が必要なケース
夜間痛が長引く場合、五十肩だけでなく他の疾患が隠れている可能性もあります。
以下のような症状がある場合は、整形外科などの医療機関を受診しましょう。
- 3か月以上経っても痛みがほとんど変わらない
- 夜間痛が強く、睡眠が取れない日が続く
- 腫れや熱感、赤みが強い
- 手や指のしびれ、感覚の鈍さがある
- 発熱や倦怠感を伴う
これらの症状は、腱板断裂・石灰沈着性腱炎・神経障害・感染性関節炎などの別の病気のサインである可能性もあります。
平井塾では、こうした症状が見られる場合、必ず医療機関での検査を推奨しています。
安全性を第一に考えることが、結果的に最も早い回復につながるからです。
日常生活での対処法とセルフケアのコツ
夜間痛が落ち着いてきたら、次は「回復を促す生活習慣」を整えていきましょう。
日常生活で意識したいポイント
- 重い荷物を片方の腕で持たない
- 肩をすくめる姿勢を避け、胸を開く
- デスクワークでは1時間に1度、深呼吸と軽い肩のゆらしを
回復を早めるセルフケア
- 肩甲骨の呼吸ストレッチ
→ 肩をすくめてストンと落とす動作を、呼吸に合わせて5回。 - 蒸しタオルで温めるケア
→ 肩甲骨まわりや首の付け根を温めて、循環を促進。 - 就寝前の深呼吸
→ 胸郭を開くことで、副交感神経が働き、痛みが和らぐ。
平井塾では、「夜間痛を治すセルフケア」は回復の流れをつくる儀式と伝えています。
毎晩の小さな積み重ねが、確実に治る方向へと体を導いてくれます。
平井塾の考え方:回復とは動き出す準備
夜間痛が和らぎ始めたとき、それは「体が治る準備を始めた合図」です。
痛みが完全に消えることをゴールにするのではなく、「動ける構造」を少しずつ取り戻していくこと。
その過程で、体は確実に強く、しなやかに変わっていきます。
つらい夜間痛を乗り越えるためのケアと考え方

炎症期は「冷やす+安静」で回復を助ける
夜間痛が強いときは、体が「休ませてほしい」と訴えている状態です。
この時期に無理に動かしたり、マッサージをすることは逆効果になります。
炎症が強い間は、
- 冷やす(保冷剤をタオルで包み10分程度)
- 肩を下げすぎないようタオルで支える
- 痛みの出る動作は避ける
この3つを守ることで、肩関節への負担が減り、炎症が早く落ち着きます。
夜間痛がひどいときには、横向きで肩を少し浮かせる姿勢を取ると、関節包への圧が減って痛みがやわらぎます。
平井塾では、このような安静を「止まることではなく、回復の準備」と捉えます。
無理をせず、体の治る力を信じて見守ることが、最初の一歩です。
回復期は「呼吸と循環」を取り戻す時期
炎症が落ち着いてきたら、少しずつ「体を動かす準備」をしていきます。
この段階では、強いストレッチではなく、呼吸と循環を整えることが最も大切です。
おすすめの軽いケア
- 肩甲骨ゆらし
腕をダランと下げ、肩を前後にゆっくり5回動かす。
→ 関節の滑りを取り戻し、筋膜の癒着を防ぐ。 - 胸を開く呼吸ストレッチ
鼻から深く吸い、口からゆっくり吐く。
→ 呼吸筋が動き、血流とリンパの流れを促進。 - 蒸しタオル温熱法
肩甲骨や鎖骨まわりを温める。
→ 神経と筋膜が緩み、痛みが出にくくなる。
この段階で「少し楽に動ける感覚」が出てきたら、それは構造が回復してきたサインです。
平井塾の姿勢循環整体では、この回復の芽を見逃さず、全身のバランスを整えて「治る流れ」を後押しします。
整体と医療を併用する安全な選択肢
夜間痛が続くと、「整体でいいのか、病院へ行くべきか」と迷う方も多いです。
平井塾では、
- 炎症や損傷が疑われる場合 → 医療機関へ
- 炎症が落ち着き、可動域・姿勢の改善を目指す場合 → 整体へ
というように、段階に応じて医療と整体の併用を推奨しています。
医療は「診断と安全確認」、整体は「構造と循環の再構築」。
役割を分けて考えることで、安心して回復を進められます。
平井塾が提唱するFJA(ファシアティック・ジョイント・アプローチ)は、炎症が落ち着いた段階で「動かない構造を読み解く」ための技術。
痛みを追いかけるのではなく、体の治る方向を探る手として活用します。
平井塾の考え方|痛みと共に整うというプロセス
五十肩の夜間痛は、「体が壊れている」のではなく、回復に向けて体が再構築している途中です。
痛みを敵として戦うのではなく、「今、体が何を求めているのか」を感じ取りながら、生活を整えていくことが最も確実な治療です。
平井塾では、痛みを「体の声」と呼びます。
手技で整えることも、正しい寝方を見つけることも、すべてはその声を聴くことから始まります。
そして、施術者と患者がその声を一緒に聴くとき、心と体が同じ方向を向き、治癒の流れが生まれます。
まとめ|眠れる姿勢が治る体をつくる

体の声を聴くことで回復スイッチが入る
五十肩の夜間痛は、「もうこれ以上、無理をしないでほしい」という体からのメッセージです。
寝方を変えることは、その声に耳を傾ける行為でもあります。
痛い肩をかばう姿勢を探しながら、「この角度なら楽」「こうすると呼吸がしやすい」という感覚を見つけることができた瞬間。
それは、体が治る方向を教えてくれている証拠です。
平井塾では、この感覚を構造の対話と呼びます。
施術者が体に触れて聴くように、患者さん自身も眠る姿勢を通して体の声を聴く。
この関係性の中で、回復のスイッチが自然と入っていきます。
信頼できる施術者とともに体を整えよう
五十肩は、時間をかけて少しずつ回復していく症状です。
その過程で最も大切なのは、「この人に任せて大丈夫」と思える存在に出会うこと。
信頼できる施術者と一緒に体を整える時間は、単に痛みを取るだけでなく、安心感を生み出します。
その安心が副交感神経を高め、体の回復を加速させるのです。
平井塾では、「傾聴する手」「観察する施術」を大切にしています。
痛みを追うのではなく、患者さんの体の治ろうとする力を一緒に見守る。
それが、真の意味での整体だと考えています。
平井塾が伝える「夜間痛と向き合う在り方」
夜間痛はつらいものですが、それは治る流れの途中にある通過点です。
眠れない夜に、「今、自分の体が変わろうとしている」と知るだけで、少し気持ちが軽くなる方も多いでしょう。
平井塾の哲学は、技術だけでなく「在り方」にあります。
- 痛みの原因を構造から理解すること
- 体の声を聴きながら、無理のない整え方を見つけること
- 信頼の中で、体と心を回復へ導くこと
これらを通じて、夜間痛の不安な時間が、「体と向き合う穏やかな時間」へと変わっていきます。
最後に
五十肩の夜間痛を乗り越える鍵は、特別な治療法よりも、正しい姿勢と小さな工夫にあります。
眠れる姿勢が整えば、体は自分の力で治る方向に動き出します。
それは施術でも、薬でもなく、あなた自身の体に備わった自然治癒力です。
今日から少しずつ、体が楽に感じる寝方を見つけていきましょう。
そして、必要なときには専門家と手を取り合いながら、安心して「治る体」を育ててください。
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投稿者情報:平井 大樹

みゅう整骨院 代表。平井塾 代表。柔道整復師・スポーツトレーナー。
「患者様の人生に、心からの安心を。」
私は、これまで20年間、延べ10万人を超える患者様と向き合ってきました。その中で最も大切にしてきたのは、「痛みを取る」ことだけではなく、「患者様が心から安心して過ごせる毎日を取り戻す」ことです。
- 長期にわたる信頼:みゅう整骨院には、5年以上通われる方が308名、10年以上通われる方も100名いらっしゃいます。これは、一時的な改善ではなく、患者様が私たちに一生の健康を任せてくださっている証です。
- 根本的なアプローチ:FJA(ファシアティックジョイントアプローチ)、姿勢循環整体という独自の手技で、痛みの箇所だけでなく、その根本原因である身体全体の歪みや動きの不調にアプローチします。
- 平井の予約が取れない理由:開業後、患者様の紹介がメインで予約が満員になりました。2020年以降、新規予約は5年待ちの状態です。現在、新規予約を取る予定はありませんが、みゅう整骨院または、平井塾受講生から同じ施術を受けることができます。
このコラムが、あなたの不調を改善し、より豊かな毎日を送るための一歩となれば幸いです。

