なぜリピート率が安定しないのか?治療院経営の盲点

技術があるのに再来が少ない理由
「施術はうまくいったはずなのに、次回予約が入らない」
「患者さんの反応は良かったけど、再来しなかった」
こうした現象は、決して珍しくありません。
これは多くの場合、技術以外の部分で信頼関係が築けなかったことが原因です。
患者さんは、技術の正しさよりも、
「この先生になら任せられるか」という感覚的な信頼で来院を決めます。
つまり、リピートの鍵は「手技そのもの」よりも、その手技をどんな空気感で届けたかなのです。
初回対応がすべてを決める時代
今や患者さんの多くは、初回で判断します。
Googleレビュー、SNS、院の雰囲気…。
どれだけ情報があっても、「実際に来てみた印象」で次を決めるのです。
そのため、初回の対応が「信頼を得るか、不安を与えるか」を分けます。
- 表情は柔らかいか
- 言葉のトーンは安心感があるか
- 問診・検査・説明の流れに一貫性があるか
これらが整っていれば、患者さんは「この人にお願いしてみよう」と思ってくれます。
逆に、一つでも違和感があれば、再来のきっかけを失ってしまうのです。
「良い施術」より「安心する対応」が選ばれる
どれだけ的確な手技を使っても、
患者さんがそれを「よくわからなかった」「不安だった」と感じたなら、それは“失敗”です。
整骨院・整体院の現場では、体感より安心感の方がリピートに直結します。
- ちゃんと話を聞いてくれた
- 丁寧に扱ってくれた
- こちらの緊張を和らげてくれた
こうした「対応の質」が、患者にとっての「選ばれる理由」になります。
だからこそ、リピートが安定しないという悩みの根底には、施術の前に在り方と習慣のズレがあるのです。
リピートが続く整骨院に共通する3つの仕組み

① 接遇ルールが習慣化されている
リピート率が高い整骨院の共通点は、「接遇のバラつきがない」ことです。
つまり、どのスタッフも同じレベルの安心感を与えている。
その背景にあるのは、接遇を属人化させない仕組みです。
- 初診の流れが統一されている
- あいさつ・表情・身だしなみにルールがある
- 説明や声かけのトーンを院内で共有している
これらは一見地味ですが、対応のムラが患者の不安を生むリスクを最小限に抑えます。
人気院ほど、「誰に当たっても安心できる」という印象をつくる努力を怠っていません。
② スタッフ全員の対応にブレがない
技術レベルに多少の差があっても、「対応のブレ」がないことはリピートにつながる重要な要素です。
- 問診の聞き方
- 検査時の手の添え方
- 声のかけ方、言葉の選び方
こうした対応の「ちょっとしたズレ」が、患者には大きな差に感じられます。
特にスタッフ数が多い院や、分院展開している院では、
「個人任せにせず、基準を共有する文化」が非常に重要になります。
平井塾でも、在り方を統一する言語として、FJAや姿勢循環整体の考え方を使い、
技術と接遇の「共通軸」を持つことを大切にしています。
③ 技術の価値を言語化できている
いくら優れた手技を使っても、患者さんにその価値が伝わっていなければ、再来の理由になりません。
- どこを見て、なぜそこに触れたのか
- 施術後に何がどう変わったのか
- 次回はどのような目的で来てもらうのか
こうした説明が「理解できた」と感じられると、
患者さんは「この人はちゃんと考えてくれている」と安心し、次回予約の動機が明確になります。
つまり、リピートとは手技の問題ではなく、
「技術を言語化して、信頼に変換できるかどうか」というマネジメント的視点の問題でもあるのです。
選ばれる先生がやっている日常のルーティン

施術前後に必ず入れている3つの行動
リピート率の高い先生に共通しているのは、「何気ないルーティンの質」が高いことです。
とくに、施術の前後には患者の安心感と信頼を高める決まった行動が存在しています。
例えば:
- 施術前に「今日の体調」を必ず確認する
→ 患者自身が自分の状態を再確認でき、意識づけにもなる。 - 施術後に「身体の変化」と「次回の目的」を伝える
→ 単発で終わらない理由をつくることができる。 - ベッド周りを整えながら「ありがとうございました」と目を見て言う
→ 最後の印象が残るため、次回へのモチベーションに直結する。
こうしたルーティンは、技術以上に患者に誠実さとして伝わります。
リピートとは信頼の積み重ね。ルーティンはその型なのです。
一人の患者に集中する切り替えの技術
人気のある先生ほど、患者ごとにモードを切り替える習慣を持っています。
- 次の患者が待っていても、今目の前の人に100%集中
- 言葉・トーン・姿勢をその人に合わせて最適化
- 毎回「この人にとってのベストは何か」を考える
これは時間管理ではなく、「意識の使い方」の問題です。
こうした集中が、この先生は本気で向き合ってくれているという印象を生み、リピートの原動力になります。
再来につながる「説明力」と「言葉選び」
多くの患者さんは、治療の中身よりも「納得できる説明」で次回予約を決めています。
- 難しいことを言わず、シンプルにまとめる
- 施術の目的と効果を言葉で見える化する
- 「次回こうしていきましょう」という提案で未来を描く
このような説明は、この先生に任せたら安心という感覚をつくる言語技術です。
平井塾では、「説明もまた手技の一部」として捉えています。
説明力を磨くことは、リピート率だけでなく、患者満足度そのものを底上げするのです。
リピートを生むのは結果より印象である

「ゴッドハンド」の印象は態度で決まる
「この先生、ゴッドハンドかも…」
そう思ってもらえるのは、必ずしも一度の施術結果が劇的だったからとは限りません。
むしろ、
- 丁寧な問診
- 説明のわかりやすさ
- 安心して身を預けられる雰囲気
といった、一連のふるまいによって生まれる印象が、
その先生を「信頼できる人」として記憶させているのです。
つまり、ゴッドハンドという評価は、
技術単体の凄さではなく、全体の「印象設計」によって生まれているのです。
患者は効果より対応の安心感を覚えている
患者さんは施術後、「痛みが3から2になった」と細かく記録することはありません。
代わりに、「なんか安心した」「しっかり診てくれた」という感覚を持ち帰ります。
この感覚的な安心感こそが、再来を決める一番の理由です。
- 毎回丁寧に対応してくれる
- 質問しやすい雰囲気がある
- 不安を汲み取ってくれる
こうした対応があると、たとえ症状がすぐに改善しなくても、
患者さんは「ここに通ってみよう」と思うのです。
つまり、結果よりもどう感じさせたかが、リピートを左右するのです。
施術者の在り方が口コミと紹介を生む
紹介や口コミで広がる整骨院の特徴は、「何をされたか」より「誰にやってもらったか」が印象に残っている点です。
患者さんは施術内容を他人にうまく伝えられません。
でも、「あの先生、すごく丁寧でね…」という印象は伝わります。
これは、施術者の在り方が信頼そのものとして記憶されているということ。
つまり、
✔ 技術力 ×
✔ 説明力 ×
✔ 態度 ×
✔ 一貫性 = 信頼という印象資産
となり、その印象が自然な口コミと紹介を生み、リピートと集客の土台になるのです。
スタッフ間で「信頼されるルール」を共有する方法

院内ミーティングで行動基準を明確にする
整骨院・整体院のリピート率が不安定な原因の一つに、
スタッフごとの対応のばらつきがあります。
- ある先生は毎回詳しく説明するが、別の先生は無言で施術
- 声のトーンや挨拶が人によって違う
- 推奨する来院ペースが統一されていない
これでは患者は混乱し、「ここは一貫性がない」と不信感を抱いてしまいます。
これを防ぐには、院としての行動基準を言語化し、スタッフ間で共有することが不可欠です。
週1でも月1でもいいので、ミーティングの中で:
- 接遇マナーの見直し
- 施術中の説明の型合わせ
- 来院指導や声かけの共通ルール確認
などを定期的に行い、院として信頼される一貫性を育てていきましょう。
チェックリスト化で対応の質を統一する
言葉で決めたルールも、忙しい現場では忘れがちです。
そこでおすすめなのが、接遇・施術フローのチェックリスト化です。
例えば:
- □ 名前を呼んで挨拶しているか
- □ 今日の体調を必ず確認しているか
- □ 施術後に説明・次回提案をしているか
このような見える化されたルーティンは、誰でも迷わず実行でき、スタッフ教育にも活用できます。
さらに、定期的なロールプレイや相互チェックを導入することで、
「やっているつもり」のズレを埋めることができます。
「やっているつもり」を防ぐためのフィードバック体制
現場で怖いのは、「できていると思っていたけど、できていなかった」という認識ギャップです。
これを防ぐには、フィードバックを仕組み化することが重要です。
- 毎月1回、接遇の振り返り面談
- 施術の流れを動画で撮影して自己確認
- 先輩からのフィードバックをルーチン化
こうした取り組みにより、スタッフ全員が自分の当たり前を客観視できる環境が整います。
結果として、全体の接遇品質・対応力が上がり、院全体のリピート率も安定していくのです。
リピート率が安定すると、技術も経営も加速する

施術の深まりが生まれる継続通院の価値
リピート率が安定すると、施術者としての最大のメリットは、患者と関係性を深めながら施術できることです。
単発ではなく継続して通ってもらえることで、
- 変化を追いながら施術の精度が上がる
- 中長期的な改善計画が立てられる
- 信頼関係の中で新しい技術も試しやすい
というように、臨床そのものの質が大きく向上します。
これはまさに、FJAや姿勢循環整体のような構造的に深めていく手技を活かすために最適な状況です。
数字に追われなくなる精神的余白
リピート率が安定しない状態では、
どうしても施術者は「今日も予約が埋まるか」「来週は大丈夫か」と、常に売上とスケジュールに追われる状態になります。
逆に、リピートが安定してくると、
- 来院予測が立ち、計画的な施術ができる
- 無理な集客や営業をしなくて済む
- スタッフの精神的負担が軽減される
というように、心の余裕が生まれます。
この余裕があるからこそ、
1人ひとりの施術や接遇に集中でき、結果としてさらにリピート率が高まる好循環が生まれます。
自信と信頼が循環する選ばれる院のサイクル
リピート率が安定している院は、
施術者・患者・経営、すべての立場で信頼の循環が起きています。
- 継続して診ることで先生が自信を持てる
- 先生の自信が患者に伝わり、信頼が深まる
- 患者の信頼が次の紹介や口コミにつながる
- 来院数が安定し、施術にも余裕が生まれる
- さらに丁寧な対応ができ、リピート率が上がる
このサイクルを回せるかどうかは、「リピート率の仕組み化」と「日々の習慣」が握っているのです。
まとめ|「選ばれる先生」は、地味なことを丁寧に続けている

結果を出すのは才能ではなく習慣
「リピート率が高い先生=ゴッドハンド」
と思われがちですが、現実は違います。
彼らに共通しているのは、
特別な技術よりも、当たり前のことを、当たり前に丁寧にやり続けているという事実です。
- 毎回の問診・説明に手を抜かない
- 施術前後の流れを整え、ブレない安心感を与える
- スタッフ全員でルールを守り、患者対応に一貫性を持たせる
こうした地味な習慣の積み重ねが、信頼をつくり、リピートを生むのです。
今日からできる3つの改善アクション
リピート率を高めたいと感じたら、まずは以下の3つから見直してみましょう。
- 初診から再来への導線を説明できる設計に変える
→ ただ治療するだけでなく、なぜまた来るべきかを明確に。 - 施術中の「言葉と表情」をルーティン化する
→ 迷わず安心してもらえる空気を毎回再現できるようにする。 - スタッフ間で「当たり前」の基準をすり合わせる
→ 対応のばらつきを防ぎ、院全体の信頼感を統一する。
これらはすべて、技術やお金ではなく、行動の習慣だけで改善できる領域です。
リピートの裏には見えない信頼の積み重ねがある
患者が再来を決めるとき、彼らの頭の中にあるのは、
「効果があったか」よりも、「またこの先生に会いたいか」。
その判断を支えているのは、
毎回の接遇・説明・姿勢といった、見えにくい信頼の積み重ねです。
技術に頼らずとも、
「信頼のルーティン」を整え、「丁寧な当たり前」を継続できる先生は、
間違いなく選ばれる存在になっていきます。
「選ばれる先生」の習慣を、平井塾で実践しませんか?

リピート率を安定させるには、技術以上に信頼される習慣が必要です。
平井塾では、現場で本当に成果を出すための技術×接遇×在り方を、体系的に学べます。
- FJA(ファシアティック・ジョイント・アプローチ)
→ 観察と対話で信頼を生む「構造思考型の施術習慣」 - 姿勢循環整体
→ 接遇と技術をルーティン化し、感覚と結果の再現性を高める - 経営と教育の両立支援
→ スタッフ育成・接遇マネジメント・リピート導線の設計までサポート
「安定した経営のために、信頼される先生を育てたい」
そう感じた今が、第一歩のタイミングです。
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投稿者情報【平井 大樹】

株式会社美絆 代表取締役。みゅう整骨院 代表。整体教育機関ゴッドハンドへの道「平井塾」代表。柔道整復師・スポーツトレーナー。
「治療家を職業から誇りへ」を信念に、紹介だけで予約が埋まる「本物の治療家」を育てる平井塾を主宰。施術歴20年、延べ10万人以上を施術し、リピート率98.5%、新規予約は5年待ちという圧倒的な実績を持つ。
【平井塾が生まれた理由】
高校卒業後、スポーツトレーナーの世界で「本当に人の役に立ちたい」という強い想いを胸に治療家の道へ。雇われ院長時代には、1日来院数255名という日本一の実績を達成。しかし、数字を追い求める中で、本当にやりたかったこととのギャップに悩み、独立後は広告を一切使わない「紹介のみ」の治療院を確立しました。
その経験から、「技術だけでなく、患者さんの心に寄り添う在り方こそが、真のゴッドハンドへの道である」と確信。2020年から始めたセミナー事業も、広告を一切使わず、口コミだけで年間91回開催、延べ770名もの治療家が集まる場所となりました。
【平井大樹の圧倒的な実績】
私が提唱する「在り方で信頼され、結果で指名される」という哲学は、以下の圧倒的な実績によって証明できる確信しています。
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- 独自のメソッド:FJA(ファシアティックジョイントアプローチ)や姿勢循環整体など、単なる技術ではなく、痛みの根本原因を「動きの連鎖」から見抜く独自の臨床思考モデルを確立しています。
- 全国規模の実績:東京、大阪、横浜、宮崎など全国9社の整骨院グループで社員研修を担当。組織の課題に客観的に向き合い、治療家として誇りを持って働ける社員を育成しています。
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「在り方で信頼され、結果で指名される」
平井塾は、技術と人間性の両輪を磨き、治療家として誇りを持って生きる仲間を増やすことを目標としています。このブログが、あなたの治療家人生を変える一歩となれば幸いです。