「施術時間を短くして回転率を上げるべきか…」 「でも、患者さんの満足度を考えたら、長く時間を取るべきか…」 「うちの院に最適な施術時間って、いったいどれくらいなんだろう?」
もしあなたが、そんな施術時間の設定で悩んでいる整骨院の院長なら、このページはあなたのためのものです。
多くの院長が、売上と患者満足度の間で揺れ動き、最適な施術時間を見つけられずにいます。長く時間をかければ良いわけでも、短くすれば効率が良いわけでもありません。時間は有限な経営資源であり、その使い方一つで、院の収益性、患者さんのリピート率、そしてあなたの施術家としての評価が大きく変わってきます。
この記事では、整骨院における手技療法の時間を正しく設定するための「プロが知るべきコツ」を徹底的に解説します。患者さんにも、そしてあなた自身にも良い影響を与える「時間設定の最適解」を見つけ、無駄をなくし、患者さんの心も体も満足させる方法を、具体的に、そして分かりやすくお伝えします。
施術時間という視点から、あなたの院の経営を安定させ、患者さんからもスタッフからも支持される理想の院へと導くためのヒントを、ぜひ最後まで読み進めてください。
なぜ「施術時間」は院長にとって最大の悩みになるのか?

施術時間の悩みは、多くの院長が通る道です。この悩みは、主に「経営的視点」と「患者さん視点」のギャップから生まれます。
施術時間と経営効率のジレンマ
- 時間を短くするメリット
- 1日の施術人数が増え、売上アップに繋がりやすい。
- 患者さんの待ち時間が減り、予約が取りやすくなる。
- 施術者の疲労を軽減できる。
- 時間を短くするデメリット
- 施術が流れ作業になり、患者さんが満足感を得られない可能性がある。
- 丁寧なカウンセリングや検査が疎かになり、リピート率が下がるリスクがある。
- 「短いから効果がないのでは?」という不信感を持たれやすい。
患者満足度と時間への期待
- 時間を長くするメリット
- じっくりと施術するため、患者さんの満足度が高まりやすい。
- 丁寧なカウンセリングや手技で、信頼関係を築きやすい。
- 施術を通じて、リラックス効果や癒やしを提供できる。
- 時間を長くするデメリット
- 施術人数が限られ、売上の上限が決まってしまう。
- 患者さんの料金負担が大きくなる。
- 施術者の疲労が増大し、施術の質が低下するリスクがある。
- 「長時間=効果的」とは限らず、かえってもみ返しや疲労感を与える可能性がある。
施術時間が「長ければ良い」という誤解の危険性
多くの患者さんは、「時間をかけてもらったほうが丁寧で良い」と考えています。しかし、これは必ずしも正しいとは限りません。
- もみ返しや筋肉の硬化リスク
- 60分以上かけて長時間、筋肉を揉みほぐすスタイルは、筋肉の微細な損傷(もみ返し)や、防御反応として筋肉を硬くしてしまうリスクを高めます。
- 根本改善から遠ざかる可能性
- 「マッサージを長くすること」自体が目的となり、肝心な原因(骨格の歪み、筋膜の癒着など)へのアプローチが不十分になることがあります。
施術時間は、ただ長ければ良いわけではなく、「いかに効率的に、根本原因にアプローチするか」という視点で考えることが重要です。
整骨院の施術時間設定の最適解:20分1枠の理論

平井塾では、施術時間の設定において、「20分1枠」を基本的な考え方として推奨しています。 これは、単に効率を追求するだけでなく、患者さんにとっても、施術者にとっても、最も効果的な時間配分だと考えているからです。
なぜ「20分1枠」が理想的なのか?
- 時間単価の最適化
- 1時間で3人の患者さんを施術できるため、経営効率が高まります。
- 短すぎず、長すぎないため、施術の質を保ちつつ、売上を安定させることができます。
- 施術効果の最大化
- 全身の調整に必要な時間は、実は15分前後が目安です。 熟練した施術者であれば、全身のバランスを整え、根本原因にアプローチするのに、これくらいの時間で十分です。もし、15分前後で全身を施術することができないということであれば、知識と技術を高める必要があります。
- 無駄に長時間施術するのではなく、最も必要な部位に必要な刺激を的確に行うことで、短時間でも高い効果を出せます。
- 患者さんの負担軽減
- 料金的にも、時間的にも、患者さんの負担が少なくなります。忙しい方でも通いやすいため、リピート率の向上に繋がります。
- 施術者の疲労軽減
- 施術者の体力的・精神的な負担が軽減されるため、一人ひとりの患者さんに集中して、質の高い施術を提供し続けることができます。
20分1枠で「全身施術」ができる治療家こそ「腕の見せ所」
「たった20分で全身の施術なんて無理だ」と思われるかもしれません。しかし、これこそが治療家としての腕の見せ所です。
- 本当に腕がうまい施術家は、15分前後で全身の歪みやバランスを整えられます。
- 部分的な主訴(例:肩だけ、腰だけ)に対しては、5分前後で的確な調整を完了できます。
- 重要なのは、「時間をかけること」ではなく、「的確な施術をすること」です。無駄な時間をかけず、最も必要な部分に、最も効果的なアプローチをする技術と判断力こそが、プロの証です。
20分1枠を軸に、多様なニーズに対応するシステム
「20分だと、じっくりやってほしい患者さんには不満が残るのでは?」という心配もあるかもしれません。しかし、20分1枠を軸にすることで、多様な患者さんのニーズに対応するシステムが構築できます。
- 「長く施術してほしい」というニーズへの対応
- 20分1枠を複数組み合わせるシステムを導入しましょう。例えば、40分の施術を希望する方には「2枠」で対応します。これにより、施術者は「無駄に時間を使う」のではなく、「患者さんの満足度向上」という明確な目的を持って40分の施術を提供できます。
- 40分、60分といった長い施術も提供できるため、リラックスや癒やしを求める患者さんにも対応できます。
無駄な施術時間をなくす!施術者側・患者さん側にとって良いシステム

最適な施術時間の設定は、施術者と患者さんの双方にメリットをもたらします。
無駄に長い施術時間が生まれる理由とデメリット
- 施術の引き延ばし
- 施術時間が短く感じられることを避けるために、無駄に長く施術してしまう。
- 患者さんの「満足」を「長い時間」でしか測れないと思い込んでいる。
- 話が長すぎる
- 患者さんとの会話が長くなり、施術の時間が短くなってしまう。
- デメリット
- 施術者が疲弊し、施術の質が低下する。
- 施術時間が不透明になり、患者さんの不信感に繋がる。
施術者側・患者さん側にとって良い時間管理のシステム
- 施術者側にとっての良いシステム
- 施術時間の標準化: 20分を基本枠とすることで、施術の計画が立てやすくなります。
- 集中力と効率の向上: 決められた時間内で最大の効果を出すことに集中できるため、施術者のスキルアップに繋がります。
- 体力的な負担軽減: 連続して長時間施術することなく、適度な休憩を挟めるため、疲労が軽減されます。
- 患者さん側にとっての良いシステム
- 料金と時間の透明性: 料金体系と施術時間が明確なため、安心して通えます。
- 効果実感の向上: 無駄な施術がなくなり、本当に必要な部分へのアプローチが増えるため、施術効果をより強く実感できます。
- 時間的な負担軽減: 忙しい方でも短時間で効果的なケアを受けられるため、継続して通いやすくなります。
まとめ:時間という有限な資源を、賢く使おう

整骨院の施術時間設定は、単なるスケジュール管理ではありません。それは、あなたの院の経営効率、患者さんの満足度、そしてあなたの施術家としての価値を左右する重要な経営戦略です。
ベストな選択は「20〜30分前後」で調整を
- 10分以下の極端に短い施術、部分的な施術しかしない院は避けるべきです。 全身のバランス調整が不十分になりがちです。
- 60分以上かけて揉みほぐすようなスタイルは、もみ返しや筋肉が硬くなるリスクを高める可能性があります。
「本当に腕がうまい治療院」の目安は、20〜30分前後で全身と部分の調整をその都度行うところです。これは、施術者が高い技術力と判断力を持ち、効率的かつ効果的な施術を提供している証です。
平井塾の哲学:時間は「腕」の見せ所
時間は、お金と同じく有限な資源です。平井塾が考える「真のゴッドハンド」は、無駄な時間をかけず、患者さんの身体の状態を正確に判断し、最も必要な施術を、最も効果的な時間で行うことができます。
- 20分1枠で全身の施術ができるようになることは、施術者としての腕を磨く、最高の訓練です。
- そして、患者さんが長く施術してほしいと希望する場合は、2枠、3枠と複数枠で対応するシステムを構築することで、患者さんの満足度も高められます。
施術時間を正しく設定し、時間という有限な資源を最大限に活用することで、あなたの院は、患者さんから「短時間でも効果がある」「この先生に任せれば安心」と高い評価を得られるでしょう。そして、それは「紹介9割」で予約が埋まる理想の繁盛院への確実な一歩となります。
あなたの院の未来のために、施術時間の見直しから始めてみませんか?