「威厳を示す」院長が陥りやすい教育の落とし穴

整骨院院長が権威主義になりやすい背景
整骨院の院長は、スタッフや患者さんの前で常に「責任ある立場」に立たされています。
患者さんからは「先生」と呼ばれ、スタッフからも「院長」として見られる。
その立場ゆえに、無意識のうちに「威厳を示さなければならない」と考えてしまう院長は少なくありません。
特に開業初期やスタッフが未熟な時期には、院長自身が「上に立つ」ことで院内をコントロールしようとする傾向が強くなります。
「舐められたくない」という心理と教育の失敗
院長が「舐められたくない」という気持ちで教育に臨むと、言葉は厳しくなり、表情は険しくなります。
スタッフにとっては「教わる」時間が「怒られる」時間に変わり、安心して学べなくなります。
威厳がスタッフの主体性を奪う理由
恐怖や緊張の中で学んでも、人は主体的に動けません。
「間違えたらどうしよう」「怒られる前に言われた通りにやろう」と考えるようになり、結果的に指示待ちのスタッフを増やしてしまいます。
威厳主義が整骨院経営に与える悪影響

スタッフが委縮し本音を言えなくなる
威厳を前面に出す院長のもとでは、スタッフは「わからない」と言えなくなります。
表面上は「はい、わかりました」と返事をしますが、実際には理解していないことが多い。
本音が言えない環境では、教育は成り立ちません。
離職率の増加と教育の停滞
「怖い院長の下では長く働きたくない」と思うのは自然なこと。
結果的にスタッフはすぐに辞め、院長は「また一から教育か…」と疲弊します。
教育が進まないことで院の成長も止まってしまいます。
院内の雰囲気悪化が患者のリピート率に直結する
スタッフが委縮して働いている院は、必ず患者さんにも伝わります。
「雰囲気が重い」「先生が怖そう」と感じられると、リピート率が低下。
院全体の経営に大きな悪影響を及ぼします。
スタッフが辞める院長の3つの共通点

上下関係を重視しすぎる
「自分が上で、スタッフは下」という意識が強すぎると、スタッフは仲間ではなく「管理される対象」として扱われます。
失敗を許さず感情的になる
失敗をしたスタッフを「なぜできない!」と責める院長。
その感情的な反応がスタッフの挑戦心を奪います。
信頼よりも恐怖でコントロールしようとする
「厳しくすれば言うことを聞く」という考え方は一時的には効果がありますが、長期的には信頼を失います。
整骨院教育に必要なのは「威厳」ではなく「信頼関係」

信頼がある環境は挑戦と学びを促進する
信頼関係がある院では、スタッフは安心して挑戦できます。
「失敗しても大丈夫」と思える環境が、成長スピードを飛躍的に高めます。
恐怖ベースの教育と信頼ベースの教育の違い
- 恐怖ベース:失敗を避ける → 消極的・委縮 → 成長しない
- 信頼ベース:失敗から学ぶ → 挑戦的・主体的 → 成長する
院長の在り方が信頼を生む
信頼は技術力や経歴からではなく、院長の「在り方」から生まれます。
傾聴する姿勢、スタッフを認める言葉が、信頼の基盤になります。
信頼関係を築くためのスタッフマネジメント実践法

まずは「聴く姿勢」を持つ
「わかった?」ではなく「どう感じた?」と聞く。
質問よりも「聴く姿勢」があることで、スタッフは安心して本音を言えるようになります。
小さな成功を承認し自己効力感を育てる
「今の対応、患者さん安心してたよ」
「昨日よりも声が出てたね」
小さな成功を承認することで、スタッフは「自分もできる」と思えるようになります。
「失敗しても大丈夫」という心理的安全性をつくる
「失敗してもいいよ、その分学べるから」
この言葉があるだけで、スタッフは思い切って挑戦できます。
信頼関係が生んだ成功事例

威厳主義から傾聴型に変えて離職ゼロになった院
以前は厳しい指導でスタッフが次々辞めていた導入院。
院長が「聴く姿勢」に切り替えたことで離職がゼロになり、教育が安定しました。
信頼ベースの教育でスタッフが自走した院
問いかけを増やしたことで、スタッフが自分から患者対応を改善。
院長の負担も減り、経営が安定しました。
雰囲気改善が患者満足度と売上に直結したケース
信頼関係の構築により、院内が明るくなり、患者満足度が向上。
結果としてリピート率が伸び、売上も上がりました。
平井塾が提案する「信頼で育てる院長の在り方」

FJAに学ぶ「観察と調整」の教育姿勢
FJAは「観察して、必要な部分だけ調整する」手技。
教育でも「全部教える」のではなく「必要な部分だけ伝える」姿勢が重要です。
姿勢循環整体が示す「全体を診る」マネジメント思考
姿勢循環整体は「身体は一つのユニット」という哲学。
教育でもスタッフを「部分」ではなく「全体」として捉えることが大切です。
「在り方改革」が教育と経営を変える
威厳ではなく信頼を軸にした在り方に変えると、教育が変わり、経営が安定します。
よくある質問

Q. 威厳を示さないとスタッフに舐められませんか?
A. むしろ逆です。恐怖は一時的な従順を生みますが、信頼は長期的な協力を生みます。
Q. 信頼関係を築くのに時間がかかりすぎませんか?
A. はい、時間は必要です。しかし一度築かれた信頼は離職防止・経営安定という大きなリターンをもたらします。
Q. 院長が信頼を得るために最初に取り組むべきことは?
A. 「聴く姿勢」を持つことです。まずはスタッフの声を最後まで聞く習慣から始めましょう。
まとめ|スタッフが辞めない院は「威厳」ではなく「信頼」で成り立つ

- 権威主義はスタッフを委縮させ、離職を招く
- 信頼関係がある環境では、スタッフは主体的に挑戦し成長する
- 教育と経営の安定には「威厳」ではなく「信頼」が不可欠
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投稿者情報【平井 大樹】

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「治療家を職業から誇りへ」を信念に、紹介だけで予約が埋まる「本物の治療家」を育てる平井塾を主宰。施術歴20年、延べ10万人以上を施術し、リピート率98.5%、新規予約は5年待ちという圧倒的な実績を持つ。
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「在り方で信頼され、結果で指名される」
平井塾は、技術と人間性の両輪を磨き、治療家として誇りを持って生きる仲間を増やすことを目標としています。このブログが、あなたの治療家人生を変える一歩となれば幸いです。