スタッフが「言うことを聞かない」本当の理由

本記事は「スタッフ教育シリーズ第1回」です。
シリーズ全体のまとめはこちら 👉 スタッフ教育完全ガイド
次の記事はこちら 👉 スタッフ教育も臨床と同じ|売上教育より『在り方』を再現性ある型で伝える方法
「最初は素直だったのに…」2〜3年目で豹変するスタッフの共通点
開業当初、スタッフは院長の指示を素直に聞いて動いてくれるものです。
しかし2〜3年目を迎え、売上を上げられるようになると、突然「自己流」に走り始めるケースが少なくありません。
「売上は作ってくれるけど、ルールを守らない」
「注意すると逆に反発される」
このような変化に頭を抱える院長は多いはずです。
なぜ売上が上がると自己流に走るのか?
それは、スタッフにとって「売上を上げること」=「自分の存在意義」になっているからです。
売上で評価される環境では、本人が「数字さえ作れば正しい」と勘違いするのも無理はありません。
院長が疲弊する方針無視スタッフの実態
こうしたスタッフに対して注意をしたくても、辞められるのが怖くて強く言えない。
結果、院長自身がビクビクし、経営者として疲弊してしまう。
これが、売上優先教育の最大の落とし穴です。
多くの整骨院で欠けている教育の視点

売上教育=スタッフ育成と考える落とし穴
多くの治療院で「教育=売上を上げる方法」と捉えられています。
新人研修でも「問診のクロージング」「回数券の提案」「単価アップのトーク」といった売上教育が中心になりがちです。
もちろん、売上は大切です。
しかしそれだけでは、院の理念や方向性を共有できないスタッフが育ってしまいます。
「治療家としての在り方」を教えていない弊害
数字だけで評価されたスタッフは「自分のやり方が正しい」と思い込みます。
その結果、患者さんへの対応や院の方針よりも「自分のスタイル」を優先するようになる。
これでは、組織としての一体感は失われてしまいます。
新人研修で理念を伝えないと何が起きるか
新人時代は素直でも、理念教育が欠けていると、必ず2〜3年目で自己流化します。
「院の方向性」より「自分の売上」を優先するようになり、
組織にマイナスの影響を与えるようになるのです。
売上教育だけでは危険な理由

「数字を作れる=正しい」と勘違いするスタッフの心理
売上教育だけを与えられたスタッフは「数字さえ出せば、院長も何も言えない」と考えがちです。
これは一見優秀に見えますが、組織にとって治療家として大きなリスクです。
短期的な成果が組織の一体感を壊すプロセス
一人のスタッフが自己流で動き始めると、周囲のスタッフも混乱します。
「なんであの人はルールを守らないのに許されているの?」
このような空気が広がり、院全体の秩序が乱れていきます。
経営者がビクビクする環境が生まれるメカニズム
「売上を作っているから強く言えない」
そう感じる瞬間が増えるほど、院長は自分の院なのに自由に動けなくなります。
本来は経営者が主導するはずの院が、スタッフ主導で動いてしまうのです。
整骨院に必要な「理念教育の型」とは?

理念教育とは何を伝えることなのか?
理念教育とは「売上」ではなく「在り方」を教える教育です。
- この院は何を目指すのか
- 治療家としてどうあるべきか
- 患者さんにどんな価値を提供するのか
これを言語化し、研修の段階でスタッフに浸透させることが重要です。
「治療家としての在り方」を浸透させる3つのポイント
- 新人研修で理念を明確に伝える
- 日常のミーティングで繰り返し確認する
- 院長自身が在り方を体現して見せる
売上教育よりも先に取り組むべき理由
理念教育を先に行うことで、スタッフは「売上」だけでなく「院の方向性」も大切にするようになります。
結果的に、売上教育も理念に沿って機能するようになるのです。
理念教育を導入した院の変化

スタッフが自律的に院の方針を守るようになったケース
ある導入院では、新人研修に理念教育を加えたことで、スタッフが「自分の判断」を院の方向性に照らして行うようになりました。
経営者がビクビクせずに指導できるようになった院長の声
以前は「売上を出しているスタッフに強く言えない」と悩んでいた院長が、
「理念」という共通言語を持つことで、自信を持って指導できるようになりました。
結果的にリピート率とスタッフ定着率が安定した理由
理念教育を行った結果、スタッフ同士の摩擦も減り、リピート率・定着率が改善しました。
「理念」があるだけで、組織全体の安心感が高まったのです。
理念教育と平井塾の教育哲学

「処置型」から「構造思考型」へ 臨床教育との共通点
臨床では「痛みを取る」処置型から、「原因を見抜く」構造思考型へと学びます。
同じようにスタッフ教育も「売上」だけの処置型から、「在り方」を共有する構造思考型へと変える必要があります。
FJA・姿勢循環整体に通じる型の重要性
平井塾が提唱するFJA(ファシアティック・ジョイント・アプローチ)や姿勢循環整体も、再現性ある「型」があるからこそ技術が定着します。
教育も同じで、理念教育の「型」を持つことで、スタッフ育成は初めて安定します。
理念教育もまた「再現性あるフレーム」である
教育を属人的にせず「型」として持つことで、誰が教えても理念が浸透するようになります。
これは平井塾が最も大切にしている教育哲学のひとつです。
まとめ|スタッフ教育の軸を売上から理念へ

院長が疲弊しない組織づくりの第一歩
スタッフが言うことを聞かないのは、性格の問題ではなく教育設計の欠落です。
理念教育を導入することで、院長が疲弊しない組織づくりが可能になります。
スタッフが安心して成長できる環境づくり
理念教育はスタッフにとっても「安心の軸」になります。
方針が明確だからこそ、自律的に動けるのです。
平井塾で学べる「教育の型」を導入
平井塾では「理念教育の型」を含め、臨床思考・技術習得・組織づくりを体系的に学べます。
「売上教育」に偏らず、「理念教育」を取り入れることで、長く安心して経営できる院を実現しましょう。
本記事は「スタッフ教育シリーズ」の一部です。
続きはこちらからご覧ください:
• 第1回:整骨院スタッフ教育の落とし穴
• 第2回:スタッフ教育も臨床と同じ
• 第3回:「売上を上げる教育」だけでは危険!
• まとめ記事:スタッフ教育完全ガイド
投稿者情報【平井 大樹】

株式会社美絆 代表取締役。整体教育機関ゴッドハンドへの道「平井塾」代表。柔道整復師・スポーツトレーナー。
「治療家を職業から誇りへ」を信念に、紹介だけで予約が埋まる「本物の治療家」を育てる平井塾を主宰。施術歴20年、延べ10万人以上を施術し、リピート率98.5%、新規予約は5年待ちという圧倒的な実績を持つ。
【平井塾が生まれた理由】
高校卒業後、スポーツトレーナーの世界で「本当に人の役に立ちたい」という強い想いを胸に治療家の道へ。雇われ院長時代には、1日来院数255名という日本一の実績を達成。しかし、数字を追い求める中で、本当にやりたかったこととのギャップに悩み、独立後は広告を一切使わない「紹介のみ」の治療院を確立しました。
その経験から、「技術だけでなく、患者さんの心に寄り添う在り方こそが、真のゴッドハンドへの道である」と確信。2020年から始めたセミナー事業も、広告を一切使わず、口コミだけで年間91回開催、延べ770名もの治療家が集まる場所となりました。
【平井大樹の圧倒的な実績】
私が提唱する「在り方で信頼され、結果で指名される」という哲学は、以下の圧倒的な実績によって証明できる確信しています。
- 長期継続患者数:私が施術している毎月211人の患者様のうち、5年以上継続が211名,そのうち10年以上が93名。これは、一般的な治療院が測る「初回リピート率」をはるかに超える、揺るぎない信頼の証です。当社独自の2年継続率では49.7%という圧倒的な実績を数字で証明しています。
- 独自のメソッド:FJA(ファシアティックジョイントアプローチ)や姿勢循環整体など、単なる技術ではなく、痛みの根本原因を「動きの連鎖」から見抜く独自の臨床思考モデルを確立しています。
- 全国規模の実績:東京、大阪、横浜、宮崎など全国9社の整骨院グループで社員研修を担当。組織の課題に客観的に向き合い、治療家として誇りを持って働ける社員を育成しています。
- 安定した組織運営:私が経営する院のスタッフ定着率は平均7年以上。これは、理念と実践が一致したマネジメントの証明です。
「在り方で信頼され、結果で指名される」
平井塾は、技術と人間性の両輪を磨き、治療家として誇りを持って生きる仲間を増やすことを目標としています。このブログが、あなたの治療家人生を変える一歩となれば幸いです。